「昔は言い合いもしていた」 城彰二が森保ジャパンを検証、選手の“要求不足”へ違和感

W杯最終予選で修羅場を経験した城氏が感じる選手の“大人しさ”

 現役時代、1998年のフランスW杯を経験するなど、代表選手として豊富な実績を誇る城氏。97年のフランスW杯最終予選では、グループ敗退の危機に立たされながらも、イランとのアジア第3代表決定戦で初の本大会出場権を掴み取る修羅場も経験してきた。そうした当時の経験を踏まえると、今の選手たちには“大人しさ”を感じずにいられないという。

「僕も代表を経験しましたけど、昔は選手同士が要求し合ってましたからね。要求し合いながらズレているところを修正していくっていうのが選手の役割なので、すごく言い合いもしていました。『なんで走らないんだ!』とか。その世代間でのサッカーというのもあるので、僕たちの時代はアトランタ五輪組とドーハ組と分かれていて、サッカーの質とか考え方というのは若干違うんですよ。だけど、それを擦り合わせて1つのチームになった」

 今夏の東京五輪監督も兼任した森保監督は、指揮官就任当初から「1チーム2カテゴリー」をテーマに掲げて、A代表と五輪代表を同じコンセプトの下で強化し、融合を図ってきた。しかし実際のところ、世代交代は上手く進んでいるとは言い難い。そうした事実が結果として、攻撃面における連係不足につながっていると、城氏は指摘する。

「今の森保ジャパンだったら新しく入ってきた東京五輪世代とのギャップが埋まっていないんじゃないかなと。それを詰めないと、上積みなんてできない。そこを求めたいんですよ。代表チームは招集のタイミングが限られますし、海外組も増えてなかなか難しいというのもあるんですけど、そのなかでももっともっと詰めていかないとこの先に強くなるイメージが見えてこないですよね」

 カタールW杯出場権を懸け、3月の最終予選でオーストラリアとの大一番を迎える森保ジャパン。結果はもちろん、課題を露呈してきた選手個々の連係に変化が現れるのかも、焦点の1つになりそうだ。

[プロフィール]
城 彰二(じょう・しょうじ)/1975年6月17日生まれ、北海道出身。鹿児島実業高校を卒業後、1994年にジェフユナイテッド市原(現:ジェフユナイテッド千葉)に入団。デビュー戦から4試合連続ゴールを挙げる活躍を見せ、脚光を浴びた。97年に移籍した横浜マリノス(現:横浜F・マリノス)でも主力として活躍し、2000年にはスペインのリーガ・エスパニョーラ1部バリャドリードでもプレー。日本代表としては、98年のフランス・ワールドカップに出場した。06年12月に現役を引退。現在は、サッカー解説者として活躍する一方、自身の番組「JOチャンネル」でサッカー普及活動へ取り組んでいる。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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