J1のVARデータをJFAが公開 VARのチェック時間は短縮…来季への反省点は?
第5回「レフェリーブリーフィング」でJ1のVARデータをJFAが公開
12月10日、第5回「レフェリーブリーフィング」がメディアに向けて行われ、JFA審判委員長である黛俊行氏、審判副委員長・Jリーグ審判デベロプメントシニアマネジャーを務める扇谷健司氏らが出席。今年J1で導入されていたビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)について数字を公開し、1年間の運用を総括している。
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日本サッカー協会(JFA)が公開した今季J1リーグ全380試合のデータでは、VARの「チェック総数」は1562回だった。1試合当たりの平均チェック数は4.11回、費やした時間の平均は60.75秒となっている。
また、VAR側と交信し、主審が画面を見て確認する「オンフィールドレビュー」の総数は51回、VARのみで映像を確認して“ファクトチェック”をする「VARオンリーレビュー」の総数は27回で、J1において4.87試合に1回にレビューする事案が発生していた。
さらに、J1のVAR運用で、リーグ後半になるにつれてVARがチェックに費やした時間は減少していることが明らかとなっている。第1節~10節のチェック平均時間は81.7秒だったが、第31節~38節では平均45.0秒と短縮された。
扇谷氏は今季のVAR運用について、VARの「チェック総数」の1562回のうち、約1割の145回で改善点が必要だったという結果を示し、「1割の改善(すべき点)というのは我々にとってはまだまだ高い数字だ」と反省。「改善すべきものはまだまだたくさんある」と来季に向け、“細部”の修正に触れた。
「VARオンリーレビューで、映像をどう確定させて、それを中継の人たちにどうお渡しするかという作業を実はVARはしています。そうした作業もちゃんとできるようにしたい。またハンド、オフサイドについても多くなっていて、ここに関してはさらにトレーニングを積んでより一貫性のある判定ができるように。誰から見られても『VARちゃんとやってるよね。何も問題ないね』としなければいけないと思っています」
そのうえで、VARの捉え方について扇谷氏は「まず、フィールド上の判定を正しくしよう、そのレベルを上げようと伝えてきました。VARありきのレフェリングは私は違うと思っている。(VARは)フィールド上の判定をサポートする、サポートしやすくするということを求めていきたい」と言及。来シーズンに向けて、VARに頼り切らない体制を構築していくことを誓った。
(FOOTBALL ZONE編集部)