なでしこジャパン、初の欧州遠征は1分1敗 主将・熊谷が挙げた勝つための課題は?
欧州遠征2戦目はオランダ相手にスコアレスドロー
欧州遠征中のなでしこジャパン(日本女子代表)は現地時間11月29日にオランダと国際親善試合を行い、拮抗したゲーム展開を両者が打開できず0-0の引き分けに終わった。
池田太監督が就任して2戦目の日本は、前回のアイスランド戦(0-2)からメンバーを入れ替えてDF熊谷紗希らがスタメン出場。前線はFW菅澤優衣香とFW田中美南が並んだ。一方、2019年女子ワールドカップ(W杯)で準優勝、東京五輪でもベスト8の強豪オランダは、23年女子W杯欧州予選の試合が雪で27日に延期になったことで日程がタイトになり、イングランド女子1部アーセナルでFW岩渕真奈と同僚のFWビビアネ・ミーデマらの主力が欠場した。
日本は前回のゲームと比較して整理された試合運びを見せた。オランダが最終ラインからビルドアップするプレーに対し、先に良いポジションを取ることで攻撃を詰まらせ、逆に奪ったところから人数をかけた攻撃を仕掛けた。
前半途中に田中が負傷して岩渕との交代になるアクシデントがあったが、流れのなかでゴールに迫る場面だけではなく、セットプレーからDF南萌華がフリーでシュートするビッグチャンスもあった。しかしゴールは奪いきれず、0-0のまま前半を終えた。
後半に入るとオランダが後ろからのボール運びを安定させ、日本はボールを奪う位置が低くなって前半よりも攻撃を仕掛ける回数が減った。それでもゴール前でショートパスを交換して菅澤が抜け出しにかかる場面も作ったが、相手の最終ラインも中央を厳しく閉じてフリーでのシュートは打たせてもらえない。日本がオランダの攻撃でピンチを迎える場面はほぼなく、試合は膠着してしまった。
互いに最後まで打開できなかったゲームはこのまま0-0の引き分けで、欧州遠征は1分1敗に終わった。池田監督は「チャンスは作れたところもあったが、ゴールを奪えずに勝ち切れず残念。選手が規律を守ってハードワークしてくれたことには満足している。新しくチームが立ち上がって期間が少ないなかでいろいろな選手にトライもできた。非常に意味のある親善試合だった。1月のアジアカップに向け、チーム力と得点力を上げて、戦う準備をしたい」と試合を振り返った。
また、主将の熊谷は「前からの守備を意識してゲームに臨み、奪えたところもあったけれどもゴールが遠かった。もっとスコアを決めていかないと試合には勝てない」と課題を指摘。中盤で攻撃的なプレーを増やした長谷川唯も「選手同士の距離が遠く、いいコンビネーションが作れなかった。得点は絶対に取らないといけなかった」と悔しがったが、「ゴールへ行く前の共通意識、アングルを作ることやポジショニングの意識ができてきたのは収穫だと思う」と手ごたえも話した。
今後、日本は来年1月に23年女子W杯の予選を兼ねたアジアカップに臨む。岩渕は「W杯予選を兼ねている大会で難しくなるとは思うけれども、悔いのないように今できることを全てやって優勝を目指したい」と、新体制で臨む大一番を見据えた。
(FOOTBALL ZONE編集部)