データで検証するハリルジャパンの現在地 欧州勢相手に見せた“二つの顔”とは

ジャパンウェイ構築に山積する課題

 しかし問題は、自分たちよりも力関係が上のチームに対して、かつての日本代表の姿が出てきてしまうことだ。今回は欧州シーズン終了後の日本での遠征ということで、意欲の低かったブルガリア、1.5軍のボスニアという相手だったが、主力抜きのボスニアには圧倒されてしまった。

 これから2018年ロシア・ワールドカップ出場を懸けたアジア最終予選が始まる。比較的にクジ運に恵まれたという見方もあるが、シングルスタンダードを目指すためには、強敵相手に繰り返し自分たちの目指すべきスタイルをトライし続けることだ。キリンカップで日本がホームでフレンドリーマッチを戦う一方、韓国は欧州に遠征し、スペイン代表に1-6で大敗する一方、チェコには勝利を挙げている。いずれも欧州選手権を控えたチームの総仕上げで、どちらの強豪も本気度の高い試合となったことは間違いない。一方、日本が戦ったのは欧州選手権予選で敗れたチームばかり。しかも、本気度はさほど高くない。

 アジアのライバルは厳しい環境を求め、切磋琢磨を続けている。日本が本番でツケが回ってこないようにするために克服すべき課題はまだ多い。

analyzed by ZONE Analyzing Team

データ提供元:Instat

【了】

ゾーンウェブ編集部●文 text by ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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