データで検証するハリルジャパンの現在地 欧州勢相手に見せた“二つの顔”とは

スコアで圧倒も局面ではブルガリアと互角

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 7-2という点差から容易に想像がつくように、シュートに関するデータは日本が圧倒的に高い。19本放ったシュートのうち12本がゴールの枠を捉え、枠内シュート率は63%となっている。ペナルティーエリア(PA)内のシュートが13本(PA内シュート率68%)。そのうち10本が枠内シュートで、PA内における枠内シュート率も77%となった。

 一方、ブルガリア代表はシュートの絶対数が少ないが、枠内シュート率が57%という数値となった一方、PA内シュート率は86%、PA内における枠内シュート率も67%を記録している。

 枠内に飛んだシュートが全体のシュート数のうちどれくらいかを見てみると、日本代表と比較しても遜色ない。だが、ブルガリアが放ったシュートの86%がPA内だったデータは、日本代表のディフェンス面にとって後々課題点になることを想起させるデータだ。ブルガリア戦ではシュート数で3倍近く日本が多く、大量7点を奪うゴールショーとなったため、この不安要素は顕在化していない。

 ハリルホジッチ監督は闘争、勝負という意味を持つ「デュエル」を重要視している。球際、1対1の強さを表すプレーだ。ここでは攻守におけるチャレンジ、空中戦、地上戦のデータについても比較してみたい。図を見てすぐに分かるのは、シュート数で見たような19対7というような圧倒的な差は、チャレンジ、空中戦、地上戦の各項目からは見て取れない。これだけの点差が離れた試合だったが、1対1のデータは限りなく五分に近いことが分かる。圧倒的なシュート数の差と、局面においてはほぼ五分五分。この傾向も覚えておいてほしい。

 

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