PSGの「MNMトリオ」初陣で不発 “メッシ・システム”構築へ、注目ポイントは?

船頭が多すぎてダメなケースも…鍵を握るポチェッティーノ監督の采配

 メッシはCFへ横のクサビを当てて中央へ入って行くプレーが定番だが、ムバッペがそれに向いているかどうかはまだ定かではない。これに関しては、マウロ・イカルディのほうが良さそうな気もするが、とにかくムバッペがメッシの相棒になれるかどうかは、“MNM”の成否に影響しそうだ。

 ただ、この3人がいて点が取れないはずはないので、ポチェッティーノ監督にとって最大の課題はむしろ守備だ。守備を含めた全体の構成と戦い方を確立しなければならない。

 サッカーはネームバリューで勝負が決まるわけではない。一つの例として、1962年ワールドカップのスペイン代表がある。

 アルフレッド・ディ・ステファノ、フェレンツ・プスカシュ、パコ・ヘント、ルイス・デル・ソル、ホセ・サンタマリアというレアル・マドリードのスターたちに、ルイス・スアレス(インテル)を加えた超豪華メンバー。率いる監督がエレニオ・エレーラという、名前だけなら優勝確実という陣容だった。しかし結果は1勝2敗のグループ最下位。エレーラ監督とディ・ステファノが合わなかった。ディ・ステファノ、プスカシュが35歳というのもネックだったかもしれない。船頭が多すぎてダメだった典型だ。

 メッシも34歳になった。まだ少し遠慮している感じだが、本人の意思にかかわらず、いずれは影響力を無視できなくなるだろう。ポチェッティーノが正しく航路を取れるかどうかではないか。

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西部謙司

1962年生まれ、東京都出身。サッカー専門誌の編集記者を経て、2002年からフリーランスとして活動。1995年から98年までパリに在住し、欧州サッカーを中心に取材した。戦術分析に定評があり、『サッカー日本代表戦術アナライズ』(カンゼン)、『戦術リストランテ』(ソル・メディア)など著書多数。またJリーグでは長年ジェフユナイテッド千葉を追っており、ウェブマガジン『犬の生活SUPER』(https://www.targma.jp/nishibemag/)を配信している。

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