マジョルカ久保、復帰後“最悪”の出来 現地記者が課題指摘「強い相手に自分の能力を…」

ビルバオ戦にスタメン出場をしたMF久保建英【写真:Getty Images】
ビルバオ戦にスタメン出場をしたMF久保建英【写真:Getty Images】

【スペイン発コラム】ビルバオ戦に3試合連続スタメンも見せ場なく…チームも今季初黒星

 日本代表MF久保建英は、現地時間11日に行われたリーガ・エスパニョーラ第4節アスレティック・ビルバオ戦に3試合連続で先発出場した。わずかな時間ながら、試合前に注目を集めた韓国代表MFイ・ガンインとの初共演も実現したが、マジョルカは今季初黒星を喫している。

 1年での1部復帰を果たしたマジョルカは今季、リーガ開幕からの3試合を2勝1分という上々のスタートを切ったなか、第4節で難攻不落のサン・マメスを訪れた。ビルバオは1勝2分でマジョルカ同様に無敗をキープしており、得点力不足に苦しみながらも、特にスペイン代表GKウナイ・シモン、同DFイニゴ・マルティネスを中心とした堅固な守備が際立ち、失点はわずか1点のみに抑えている。

 久保は代表ウィークでの長距離移動や、オマーン戦、中国戦と2試合に出場したことによる疲労が懸念されたものの、3戦連続のスタメン起用となったことにルイス・ガルシア監督からの厚い信頼が感じられ、マジョルカ復帰の決断は現時点では正解だったと言えるだろう。

 センターバック(CB)に負傷者を出して難を抱えるなか、ルイス・ガルシア監督はビルバオ戦に向け2選手を入れ替えて臨み、久保を4-2-3-1のトップ下で起用し、2試合連続でFWジョルディ・ムブラ、MFダニ・ロドリゲス、FWフェル・ニーニョとの攻撃のカルテットを形成した。

 しかしマジョルカは、試合後に監督が「アスレティックはフィジカル面に優れ、非常に激しいチーム」と認めていた通り、ハードなプレスに苦しめられることになった。特に前半はチームが苦戦を強いられ、久保も楽にプレーさせてもらえなかった。ピッチ中央まで下がった際、前を向き何本か好パスを出したものの、敵陣ペナルティーエリア付近では自由を得ることができなかった。

 後半に入ると久保は開始早々の1分、左サイドのゴールラインぎりぎりのところで力強いドリブルを披露して相手DFを抜き去りボールを中に入れるも、パスを受けたダニ・ロドリゲスはシュートまで持ち込めなかった。

 その後も2選手に囲まれながら突破を図り、ゴール正面からシュートを打つ場面があり、試合前「アジアン・コネクション」と話題になっていた途中出場のイ・ガンインとのわずか5分間の初共演のなかで良い連係もあったが、最後まで大きな見せ場を作ることはできず、後半32分にピッチを去り、チームも0-2で敗れて今季初黒星を喫した。

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高橋智行

たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。

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