“物足りない”日本の攻撃、「救いになった」選手は? 中国戦出場14人を金田喜稔が採点

試合勘の欠如を感じさせた長友【写真:©JFA】
試合勘の欠如を感じさせた長友【写真:©JFA】

試合勘の欠如を感じさせた長友「攻撃時にノッキングを起こすシーンもあった」

<DF>
■長友佑都(無所属/→後半43分OUT)=★★★

 無失点での勝利という結果を考えれば決して危ういパフォーマンスだったわけではないが、オマーン戦に比べると特にビルドアップ時に攻撃参加のタイミングやつなぎの部分でノッキングを起こすシーンがあった。そこは無所属による試合勘の欠如や、左サイドハーフに入った古橋や原口というアタッカーのタイプとの関係性が影響しているのかもしれない。今後の戦いを考えると、チームとして別の選択肢も用意しておく必要はありそうだ。

■冨安健洋(アーセナル)=★★★★

 中国戦からの合流となり、コンディションも悪くなかった。相手がほとんど攻撃を仕掛けてこないなかで、慌てるシーンは作られず。ビルドアップ時には要所要所でドリブルで持ち上がったり、的確なタイミングでくさびを入れるなどチームに落ち着きをもたらしていた。

■吉田麻也(サンプドリア)=★★★★

 エウケソンとの1対1では、ほぼ完全に抑え込み無失点勝利に大きく貢献。冨安との連係もそつがなく、ビルドアップも安定していた。後半に相手が前からのプレッシャーを強めてきた時間帯では、チーム全体が少しバタバタするシーンもあった。相手にプレッシャーをかけたら取れるんじゃないかと思わせない、上手くいなしていくボール回しの精度をチーム全体で高めていきたい。

■室屋 成(ハノーファー)=★★★★

 相手のサイドアタッカーに攻める力がなかったこともあり、1対1の対応を無難にこなして無失点に貢献。同サイドの伊東とのコンビネーションは、短い時間では精度を高められず課題を残したが、酒井宏樹が不在となった穴をしっかりと埋めた。

<GK>
■権田修一(清水エスパルス)=★★★★

 相手の枠内シュートが0本という試合では、ほぼピンチらしいシーンはなかった。そうしたなかでも集中力を切らさずにハイボールの処理、キック、スローイングをミスなくこなした。守護神としてどっしりと構え、チームに安定感をもたらした。

金田喜稔

かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。

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