メッシ移籍で“MMNトリオ”結成 夢の陣容も…「世紀のアタック陣」は賞味期限が短い

パリ・サンジェルマンでの共演が注目されるネイマール、メッシ、ムバッペ【写真:AP & Getty Images】
パリ・サンジェルマンでの共演が注目されるネイマール、メッシ、ムバッペ【写真:AP & Getty Images】

【識者コラム】空恐ろしいPSGの陣容…メッシ、ムバッペ、ネイマールの3人は何点取るのか

 青天霹靂。リオネル・メッシがバルセロナを離れ、パリ・サンジェルマン(PSG)に来ることになるとは思わなかった。

 フロントへの不信感を露わにしていた昨年夏ならともかく、まさかこの夏にこうなるとは……。ともあれ、メッシはバルサと契約できず、“花の都”の住人となった。

 フランスの全国スポーツ紙である「レキップ」や、バロンドールを主催してきた「フランス・フットボール」誌には、毎年夏になると豪華な名前が並んでいたものだ。PSGが獲得予定の選手としてジネディーヌ・ジダン、マヌエル・ルイ・コスタ、ロナウドといったスーパースターの名が記されていた。ただし予定は未定で、日を追うごとにきらびやかな名前はよく知らない地味な選手に置き換えられていくのが通例だった。まさにひと夏の夜の夢である。

 獲得予定が本当に実行されるようになったのは、カタール資本の導入からだ。ハビエル・パストーレだけでも驚きだったのが、ズラタン・イブラヒモビッチが来たあたりから、どうやら本気らしいと分かってくる。そしてネイマール。さらにキリアン・ムバッペ。さすがにこのへんで打ち止めだろうと思っていた。

 今季のPSGの陣容は、空恐ろしいことになっている。空想にしたって、ここまで図々しい補強はしないかもしれない。

 GKに欧州選手権(EURO)で優勝したばかりのイタリア代表、ジャンルイジ・ドンナルンマ。DFにはレアル・マドリードからセルヒオ・ラモスを獲得した。アクラフ・ハキミも加入していて、かつてのファンならこれだけでも大喜びだったはずだ。

 MFにはジョルジニオ・ワイナルドゥムが加わった。PSGらしい手堅い補強だ。ラモスとワイナルドゥムが今季の本命かと思っていたら、なんとメッシである。イメージとしては10倍ぐらい強化された気がする。メッシ、ネイマール、ムバッペは夢のトリオだ。

 メッシはすでにバルセロナ時代に“MSN”の中心人物だった。メッシ、ルイス・スアレス、ネイマールの南米最強トリオは、シーズン110ゴール中81ゴールを叩き出した。“MMN”は果たして何点取るのかと期待は膨らむ。

 ただ、豪華アタックラインの賞味期限は意外と短いことも忘れてはいけないかもしれない。

 “MSN”は3シーズンで解体になっている。ネイマールがPSGに移籍したからだ。メッシ、サミュエル・エトー、ティエリ・アンリのトリオも素晴らしかったが、これもエトーの移籍で08-09の1シーズン限りだった。

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西部謙司

1962年生まれ、東京都出身。サッカー専門誌の編集記者を経て、2002年からフリーランスとして活動。1995年から98年までパリに在住し、欧州サッカーを中心に取材した。戦術分析に定評があり、『サッカー日本代表戦術アナライズ』(カンゼン)、『戦術リストランテ』(ソル・メディア)など著書多数。またJリーグでは長年ジェフユナイテッド千葉を追っており、ウェブマガジン『犬の生活SUPER』(https://www.targma.jp/nishibemag/)を配信している。

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