なでしこW杯優勝メンバーが回想する”伝説の一撃” 「人生を大きく変えた」

準々決勝のドイツ戦でゴールを決め喜ぶ丸山桂里奈【写真:Getty Images】
準々決勝のドイツ戦でゴールを決め喜ぶ丸山桂里奈【写真:Getty Images】

“ヒロイン”丸山さんがFIFA公式サイトのインタビューで伝説の一撃と世界制覇に言及

 なでしこジャパン(日本女子代表)の女子ワールドカップ(W杯)初制覇から10年が経ったなか、FIFA(国際サッカー連盟)公式サイトは、当時の優勝メンバーの1人で現在はタレントとして活動する丸山桂里奈さんのインタビュー記事を掲載。準々決勝のドイツ戦で生まれた伝説の一撃や世界一へ辿り着いた歴史的快挙を回想している。

 2011年にドイツで開催された女子W杯で、日本は快進撃を見せた。佐々木則夫監督(当時)の下、グループリーグを2勝1敗で突破すると、開催国であるドイツとの準々決勝を1-0でモノにし、準決勝ではスウェーデンを3-1で撃破。迎えた決勝で、優勝候補のアメリカと2-2のスコアのままPK戦までもつれ込む死闘を演じた末に勝利し、史上初の世界一に辿り着いた。

 この偉業達成から10年が経ち、FIFAの公式サイトは当時の優勝メンバーの1人で、2016年に現役を引退した丸山さんのインタビュー記事を掲載。丸山さんはドイツとの準々決勝の延長後半3分に決勝ゴールをマークし、一躍ヒロインとして脚光を浴びたが、ドイツを撃破した”伝説のゴール”を「人生の流れを大きく変えるようなゴールの一つ」と位置づけ、その瞬間を感慨深く振り返っている。

「本来であればニアポストを狙うべきところでしたが、ふとした瞬間に違う考えが頭をよぎり、反射的にファーポストにシュートしようと思ったんです。次の瞬間、チームメートがゴールを祝って駆け寄ってくるのが見え、スタジアムは完全に静まり返っていました」

 丸山さんによる殊勲のゴールで勝利した日本は、勢いそのままに世界の頂点へ到達。東日本大震災により多くの犠牲者を出す大惨事に見舞われた日本国民に勇気をもたらす偉業として評価され、同年の国民栄誉賞を受賞し、女子サッカー界への注目度向上、発展へ大きく貢献した。

 当時のチームを丸山さんは「私たちの間には、とても強い絆がありました。お互いのためにプレーしましたし、スターティングメンバーも交代要員も、チームのためになんでもする準備ができていました」と回想。それまでの最高成績(ベスト8)をはるかに上回る偉業達成の背景に、誰もがチームの勝利のためにベストを尽くしてプレーしていた事実があったことを明かしている。

 11年の女子W杯制覇から10年目の節目で開催される東京五輪で、日本は再び”世界一”を目指して戦う。本大会開幕が目前に迫るなか、丸山さんは「今こそ、なでしこはサポーターの前でメダルを獲得するべきだと思います。私は彼らにはそれができると信じています」と、後輩たちへエールを送った。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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