新潟を率いるスペイン人監督が説く、リーガで日本人選手が活躍するための二つの改善点

新潟で指揮を執るスペイン人のアルベルト・プッチ・オルトネダ監督【写真:©ALBIRX NIIGATA】
新潟で指揮を執るスペイン人のアルベルト・プッチ・オルトネダ監督【写真:©ALBIRX NIIGATA】

【インタビューVol.3】アルベルト監督は「テクニシャンは活躍する余地がある」と見解

 スペイン1部リーガ・エスパニョーラは、アルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(バルセロナ)やウルグアイ代表FWルイス・スアレス(アトレティコ・マドリード)、フランス代表FWカリム・ベンゼマら各国のトッププレーヤーがしのぎを削っている。今季はMF乾貴士(エイバル)、MF久保建英(ヘタフェ)、FW岡崎慎司(ウエスカ)、FW武藤嘉紀(エイバル)がプレーしていたが、日本人選手が“世界最高峰のリーグ”に挑戦するためには何が必要か。J2のアルビレックス新潟で指揮を執るスペイン人のアルベルト・プッチ・オルトネダ監督に質問をぶつけた。

 アルベルト監督は世界的名門バルセロナのスカウト、アカデミーコーチ、ダイレクターを務めた経歴を持ち、久保やスペイン代表FWアンス・ファティ(バルセロナ)を発掘して“ラ・マシア”(下部組織)に入れたことで知られる。2020年からはJリーグで自身初となるトップチームを指揮するなど、日本人選手の特徴にも精通するスペイン人指揮官は、「明確にレベルアップしないといけないポイントが二つあります」と持論を展開する。

「まずは状況判断。もう一つは競争力、つまり勝負にこだわる気持ちです。例えば、J1で上位争いをしているクラブであっても、リーガ・エスパニョーラで対等に戦うことは難しいと思います。なぜなら、現時点で競争力が不足しているからです。多くの日本人選手は、勝負にこだわったプレーをする部分において、成熟しなければいけません。私はアメリカで4年ほど指導の経験があります。アメリカでも才能豊かな若い選手がたくさん出てきていますが、競争力はまだ成熟が足りない。日本からヨーロッパに行って活躍するには、勝負にこだわるプレーにおいてまだ改善の余地があります」

 今季リーガ・エスパニョーラでプレーした日本人選手の中で、岡崎以外の3人はアタッカータイプ。アルベルト監督も、「ウイングのような選手を多く(スペインに)輩出することは可能かと思います」と語る。

「いわゆるテクニシャンは活躍する余地があると思います。一方で、センターバックやセンターフォワード、中盤のセントラルミッドフィールダーはまだ日本人選手が活躍するのは難しいレベルだと思います。日本サッカー全体のことを考えれば、当然ながらすべてのポジションでレベルアップを促さなければいけないわけで、ヨーロッパで活躍できる選手が特定のポジションに偏ってしまうのは良い方向性ではありません」

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