買収報道のアーセナル、元主将が現状に危機感 「アイデンティティーが失われている」

かつてアーセナルで活躍をしたMFパトリック・ビエラ【写真:Getty Images】
かつてアーセナルで活躍をしたMFパトリック・ビエラ【写真:Getty Images】

アーセナルの黄金期を知るOBビエラ氏がチーム状況を不安視

 プレミアリーグのアーセナルは、音楽配信サービス「Spotify」のダニエル・エクCEOによる買収の動きが注目を集めている。ティエリ・アンリ氏、デニス・ベルカンプ氏とともに、買収グループに名を連ねる元アーセナルキャプテンのパトリック・ビエラ氏は、「アーセナルはアイデンティティーが失われている」と古巣の現状に危機感を募らせている。英紙「デイリー・メール」が報じた。

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 今季のアーセナルはプレミアリーグで9位(17勝7分13敗)に沈む。来季のUEFAチャンピオンズリーグ出場権獲得の可能性はすでに消滅、UEFAヨーロッパリーグ出場権獲得も難しい状況。欧州カップ戦不参加となれば、クラブとして実に25年ぶりの出来事となる。

 こうした成績不振に加え、欧州スーパーリーグ参加を表明したことで現オーナーのスタン・クロエンケ氏に対するサポーターの不満は爆発。そこへ「Spotify」のCEO、エク氏を中心とするメンバーによるクラブ買収の動きが浮上し、大きな注目を集めた。買収額は18億ポンド(約2770億円)とも伝えられている。

 アーセナルの元キャプテンであり、今夏の買収グループの一人として名を連ねるビエラ氏は、「個人的にはオーナーが変わる時だと思っている。このクラブに幸せを取り戻すには彼は適任だと思う」とエク氏の買収を支持している。

 2003-04シーズンのプレミアリーグ無敗優勝などクラブの“黄金期”を知るだけに、ビエラ氏は現在のチーム状況は楽観視できるものではないと感じているようだ。「アーセナルがうまくいっていないのはここ2、3年のこと。アーセン・ベンゲルの時代には常にクラブを代表する強い個性を持った選手がいた」としたうえで、「年々アーセナルはピッチの内外でアイデンティティーを失っている」と危機感を募らせている。

 現オーナーのクロエンケ氏はクラブ売却の意思はないと表明しているが、一方でエク氏もまだ諦めていないという。クラブのレジェンドたちも“猛プッシュ”するアーセナルの買収騒動は、果たしてどのような決着を迎えるのだろうか。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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