“237億円”補強報道とロシア人オーナーへの支持 騒動後に際立つチェルシーの盤石な姿

SL騒動で明白になった、プレミア6クラブの経営陣とサポーターの関係性

 プレミア以外で名前が上がっていたレアル、バルセロナ、ユベントスの3クラブは今、今回のSL騒動で破綻寸前の経営状態が白日の下に晒され、しかも処罰問題でUEFAと大揉めに揉めている最中だ。

 これらの3クラブが、ひょっとしたら来季から2シーズン連続で欧州カップ戦の出場停止処分となる状況になり、「ザ・サン」紙がおそらく推測か、もしくはどこからかリークでもあったのか、自分たちで流した3月の報道も忘れ、チェルシーのハーランド獲得をしれっと伝えた。

 そして、この記事でもう一つ頭に浮かんだことは、なんだかんだ言っても、アブラモビッチはその金離れの良さで“サポーターの支持をしっかりと得ている”ということだった。

 今回のSLに参加表明したプレミア6クラブで、サポーターの反応は見事なほど3対3に分かれた。

 まず非難が最も激しいのは、13日のリバプール戦前にも2000人のサポーターが抗議行動を起こしたユナイテッド。クラブを私物化するようなグレイザー一家の経営方針に、ファンが辟易としていることが今回のSL騒動で明白になった。

 続いて、やはりビジネスライクな経営姿勢が不評のアメリカ人オーナー、スタン・クロエンケが牛耳るアーセナルと、補強を渋るダニエル・レヴィ会長に批判が集まるトッテナムが続く。

 一方、昨季30年ぶりのリーグ優勝に導いたリバプールのオーナー、ジョン・ヘンリーはSL撤退後、動画でファンに謝罪。さらに主将のMFジョーダン・ヘンダーソンが「クラブに尽くしてくれたオーナーだ」と、ツイッターで擁護してサポーターが鎮静した。また直近4年で3回の優勝を果たしたばかりのシティも、SL撤退後はサポーターが静かにしている。

 そしてチェルシー。ここはもうアブラモビッチの投資なくして現在の姿がないということは、サポーター全員が骨身に染みて分かっている。もちろん、監督の首のすげ替えが激しいことを批判するファンはいるだろうが、ロシア人富豪が補強をケチることはない。

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森 昌利

1962年生まれ、福岡県出身。84年からフリーランスのライターとして活動し93年に渡英。当地で英国人女性と結婚後、定住した。ロンドン市内の出版社勤務を経て、98年から再びフリーランスに。01年、FW西澤明訓のボルトン加入をきっかけに報知新聞の英国通信員となり、プレミアリーグの取材を本格的に開始。英国人の視点を意識しながら、“サッカーの母国”イングランドの現状や魅力を日本に伝えている。

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