Jリーグ初参戦の韓国代表MF 対戦した日本人選手で印象に残った「2人の10番」は?
韓国代表MFチュ・セジョンが語る自身の武器、印象に残った2人の日本人選手
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30歳にして初の海外挑戦を決意したガンバ大阪の韓国代表MFチュ・セジョンは、自らの技術向上のためにJリーグ行きを選択した。「優れた中盤の選手がたくさんいる」と移籍決断の理由を明かしてくれたが、ショートパスを主体とするチームの中でどんなプレーをしようと意識しているのか。Jリーグ開幕直前にオンライン取材を実施し、G大阪で待ち受ける激しいポジション争いや、過去に対戦したなかで印象に残った日本人選手について話を訊いた。(取材・文=金明昱)
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チュ・セジョンに「自身のストロングポイントはどこか?」と尋ねると、迷うことなくこう答えた。
「一番自信があるのはキックの精度です。コーナーキックやフリーキックも蹴ることができますし、自信があります。中盤の底でDFとFWの間で攻守の切り替えもそうですが、FWが抜け出したスペースに合わせた正確なロングフィードができるのが自分の強みですね」
試合になれば自分の武器を活かした展開で、戦況を一気に変えられるプレーを常に意識している。
「日本の選手は技術が高く、特に中盤の選手は細かいショートパスを織り交ぜて局面を打開していくのが本当に上手い。ただ、Jリーグは全体的に守備ラインを上げて、コンパクトに展開する印象があり、短くパスをつないだあとに一気に逆サイドに放り込むキックのシーンはそう多くない感じはあります。短くパスをつなぎながら、スペースへのロングフィードで局面を変えて、どんどんチャンスを作りたいと思っています」
アンカーとしては、攻守における細かいパスのスキルは必須だが、日本の選手たちの技術から学び、自分も持ち味をプラスすれば、さらに成長できるのは間違いないだろう。
そんな彼に、Jリーグの中で最も印象に残っている選手は誰なのか聞くと、「FCソウル時代にACL(2016年)で浦和レッズと対戦した時の10番の選手(柏木陽介/FC岐阜)、もう1人は日本代表と試合(2019年E-1選手権)をした時の10番の選手(仲川輝人/横浜F・マリノス)ですね。2人ともそこまで体が大きくはないのですが、ものすごく試合を楽に進めるプレーが印象的でした」と振り返る。
金 明昱
1977年生まれ。大阪府出身の在日コリアン3世。新聞社記者、編集プロダクションなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めた後、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。2011年からは女子プロゴルフの取材も開始し、日韓の女子ゴルファーと親交を深める。現在はサッカー、ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。近著に『イ・ボミ 愛される力~日本人にいちばん愛される女性ゴルファーの行動哲学(メソッド)~』(光文社)。