高校の部活で「声出し禁止」の理由 東欧出身の元Jリーグ監督「逆に邪魔になる」

旧ユーゴスラビア代表ドラガン・ストイコビッチ氏【写真:Getty Images】
旧ユーゴスラビア代表ドラガン・ストイコビッチ氏【写真:Getty Images】

ストイコビッチら“天才”は「指導者が考える以上のアイデアを生み出していく」

 そんな国民性は、指導現場にも反映されているという。

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「子どもたちのアイデアを大切にするので、とにかく自由にプレーさせる。その中から良いプレーが生まれれば、そういうシーンがたくさん出てくるトレーニングメニューを作るように心がけていく。ピクシー(ドラガン・ストイコビッチ)は、いつも監督の指示とは別のプレーを選択したが、それでも監督は誉め続けたから天才として育っていった。リオネル・メッシに指導者が教えることなんてできない。天才プレーヤーは、指導者が考える以上のアイデアを生み出していく。だから指導者も彼らから学んでいく必要がある」

 かつて旧ユーゴスラビアの選手たちは、28歳になるまで外国へ移籍することができなかった。

「自国リーグのレベルは、当時最もレベルが高かったブンデスリーガに匹敵するほどでした。でも逆に優秀な選手が自国に留まっているので、一つのポジションを10年間も同じ選手が占めていた。逆に28歳ルールが撤廃されてからは、リーグの水準は落ちたけれど、若い選手たちに次々にチャンスが回ってくるようになりました」

 Jリーグも似たような状況にある。急ピッチな代謝は、輸出国の発展には不可欠な要素だと言えそうだ。

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加部 究

かべ・きわむ/1958年生まれ。大学卒業後、スポーツ新聞社に勤めるが86年メキシコW杯を観戦するために3年で退社。その後フリーランスのスポーツライターに転身し、W杯は7回現地取材した。育成年代にも造詣が深く、多くの指導者と親交が深い。指導者、選手ら約150人にロングインタビューを実施。長男は元Jリーガーの加部未蘭。最近選手主体のボトムアップ方式で部活に取り組む堀越高校サッカー部のノンフィクション『毎日の部活が高校生活一番の宝物』(竹書房)を上梓。『日本サッカー戦記~青銅の時代から新世紀へ』『サッカー通訳戦記』『それでも「美談」になる高校サッカーの非常識』(いずれもカンゼン)、『大和魂のモダンサッカー』『サッカー移民』(ともに双葉社)、『祝祭』(小学館文庫)など著書多数。

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