昨季引退の増嶋竜也が描く未所属選手“支援プロジェクト”の未来 「就職するところまで見届けたい」

新たな挑戦をスタートした増嶋竜也氏【写真:©Ryo Sato】
新たな挑戦をスタートした増嶋竜也氏【写真:©Ryo Sato】

【増嶋竜也氏インタビュー|後編】参加選手のセカンドキャリアも請け負う覚悟「見届けたい」

 昨季、ジェフユナイテッド千葉で現役を引退したDF増嶋竜也氏が、新たな挑戦に臨んでいる。「#Reback -もう一度Jの舞台へ-」と題して、現在未所属となっている元Jリーガーたちの練習を支援するプロジェクトを発案。公式ツイッターを通して自身の思いを綴ったところ、賛同者が現れ、今では16人の選手とともに大阪・Jグリーン堺で“ミニ合宿”を行っている。7日で3週間の合宿に終わりを告げる今回のプロジェクトでは、横浜F・マリノスなどで活躍したMF兵藤慎剛や、オセアニアのクラブを中心にプレーし、昨年“失明危機”に陥ったMF松本光平らが参加。発起人の増嶋氏は「Football ZONE web」のインタビューに応じ、来年以降もプロジェクトを継続させる意向を示した。(取材・文=Football ZONE web編集部・小杉 舞)

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 3週間続けた合宿もこの日で終了。プロジェクトに参加した16人はJリーグへ復帰できるのか――。コロナ禍にある現在、チームの経営状況も厳しく、現実は厳しい部分もある。そのなかで、増嶋氏は次のステップも見据えている。

「まず、このプロジェクトを来年も絶対やりたい。(将来的に)コロナ禍ではなくなったら、どれぐらいのチームが興味を持ってくれるのか見てみたい。今年はクラウドファンディングさせてもらったけど、しなくても続けられるような考え方をしていきたい。あと、今年はもし、チームが決まらなくて、辞めますという選手が出てきてもセカンドキャリアのアプローチを考えている。違うアシストをしていきたいと思っているので、サッカーを辞める、就職するというところまで見届けたいと思っている」

 知人に声をかけ、セカンドキャリアとして一般企業へ就職する道も用意してもらうなど、今回プロジェクトに参加した16人とはとことん付き合っていく覚悟。もう一度、サッカー選手を目指して立ち上がるのか、サッカーを続けながら一般企業に就職するのか、選択の幅を広げる役割も担っている。

「サッカーをできる環境があって土日だけサッカーしようとか、そういう話がもらえる会社と話をしている。こういう道もあると分かれば、選手たちも7日まで思いっきり頑張れると思う。みんなにはギリギリまで内緒にしているんですけどね。次のステップというのも悪くないのかな、と。僕は最後までサポートする」

 引退直後から選手を助けるために動き出した増嶋氏だが、現役時代の経験が大きく影響しているという。市立船橋高校から2004年にFC東京でプロキャリアをスタート。そこからヴァンフォーレ甲府、京都サンガF.C.、柏レイソル、ベガルタ仙台、千葉と5回の移籍を経験した。何度も拠点を変えるうえで、多くの人々に支えられた。特に、柏時代の先輩・北嶋秀明氏(大宮アルディージャコーチ)や千葉のレジェンド佐藤勇人氏(クラブユナイテッドオフィサー)、柏時代に師事したネルシーニョ監督、吉田達磨監督の人柄には感銘を受けた。

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