「そういう選手になりたかった」 福西崇史が語る“ボランチ論”、理想の選手像とは?
磐田や日本代表で活躍した福西氏が「ボランチ」について解説
日本代表は11月のオーストリア遠征でパナマ代表(1-0)、メキシコ代表(0-2)と戦ったが、その2連戦でとりわけ注目を集めたポジションが、中盤の底で攻守をコントロールする「ボランチ」だった。パナマ戦では後半から途中出場したMF遠藤航(シュツットガルト)が、試合の流れを一変させるパフォーマンスを見せ、メキシコ戦ではその遠藤とMF柴崎岳(レガネス)が先発し、絶妙なコンビネーションを誇る2ボランチが前半の攻勢を生み出した。
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現代サッカーにおいて、チームの心臓部である彼ら「ボランチ」に求められる資質や役割とは、果たしてどのようなものなのか。「Jリーグ史上最強」と言われる黄金時代のジュビロ磐田でプレーし、日本代表として2度のワールドカップを経験した福西崇史氏に、改めて「ボランチ」に求められる能力や役割について訊いた。
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1995年にFWとして磐田に加入した福西氏は、プロ入り後にボランチにコンバートされたが、同ポジションには前年のアメリカ・ワールドカップで優勝したブラジル代表の“闘将”ドゥンガがいた。世界最高レベルのお手本からボランチの極意を日々吸収したが、このポジションの選手に求められる資質は当時も現在も大きく変わっていないという。
「ボランチである以上、(ベースとして必要なのは)守備だと思います。昔で言う守備的ミッドフィールダーというポジションなので、やはり守備は重要な部分。守備に重きを置きつつ、攻撃も何割か手伝える。その(攻撃の)スタートというのは、昔はボランチからでしたが、今はセンターバックやキーパーから攻撃をする。トレンドは変わってきているので、(以前よりも)つなぎができなければいけない状況かもしれない。(チーム戦術によっては)サイドバックが高い位置を取るために、ボランチが守備を担わなければいけないこともあり、(最終ラインに)降りて攻撃を担うことも戦術としてはある。攻撃はしつつも、まず根本は(相手の)ボールを取ることをしなくてはいけないと思っています。
ただ理想を言えば、攻撃も守備もコントロールも、できれば全部やれればいい。それぞれの選手のなかに、どこが得意で不得意というのもあると思いますが、割合がどれくらいかにしても、僕はある程度すべてのことができる選手が良いボランチだと思っています」
ボランチに必要なスキルはすべて――そう語る福西氏は、「自分がそういう選手になりたかった」と振り返るが、現代サッカーの選手で自らの理想像に近い選手とは誰なのだろうか。