「最初の練習で”鼻を折られた”」 U-23代表候補の鳥栖DF、初招集で受けた衝撃と成長への手応え

サガン鳥栖DF森下龍矢【写真:Football ZONE web】
サガン鳥栖DF森下龍矢【写真:Football ZONE web】

大卒ルーキーDF森下龍矢、U-23代表候補合宿で持ち味をアピール 「良さは存分に出せた」

 U-23日本代表候補合宿は26日に最終日を迎え、関東大学選抜との練習試合を行った。自身初の代表入りとなった大卒ルーキーDF森下龍矢(サガン鳥栖)は右サイドから果敢に仕掛けるなど存在感を発揮。5日間のトレーニングキャンプを終え、森下は「自分の良さは存分に出せた」と、手応えを口にした。

 22日から千葉県内でスタートしたU-23日本代表候補合宿。最終日となった26日には関東大学選抜との練習試合3本(45分×2本+30分)を実施した。1本目には、MF相馬勇紀(名古屋グランパス)、MF安部柊斗(FC東京)、MF渡辺皓太(横浜F・マリノス)、DF渡辺剛(FC東京)らが出場。果敢に相手ゴールへ迫ったがスコアレスで45分を終えた。

 均衡が破れたのは2本目の序盤だった。DF森下がゴール前に送ったボールを安倍が落とし、最後はFW一美和成(横浜FC)が決めて先制した。その後、フィールドプレーヤーを総入れ替えした直後には、CKからDF橋岡大樹(浦和レッズ)が頭で加点。3本目ではMF郷家友太(ヴィッセル神戸)、DF瀬古歩夢(セレッソ大阪)がそれぞれ得点し、4-0で快勝した。

 練習試合1本目で右サイドバックとして出番を得た森下は、試合序盤から縦に仕掛け、シュートを放つ場面もあった。「相手が高い位置からプレスをかけてきたので、それを剥がしてゴール前までは行けていた」と森下。攻撃的なプレースタイルで存在感を示し、「自分の良さは存分に出せた」と自信を見せた。

 一方で悔しさも味わった。森下は当初、今合宿のメンバーに選ばれていなかったが、故障で辞退したメンバーに代わり追加で初招集。常連メンバー以上に、生き残りを懸けてアピールが求められる立場でもある。それだけに、ゴールに迫りながらも結果を残せなかったことを残念がった。

 明治大から鳥栖へ加入した今季、リーグ戦では33試合3得点をマーク。プロ1年目でのパフォーマンスが評価されるかたちで臨んだU-23代表合宿でも、それなりに渡り合えると信じていた。だが実際は、「最初の練習で鼻を折られた」と森下。周囲のレベルに圧倒されながらも、自らの成長へつなげる良い機会だと捉え、必死に食らいついた。

 23歳以下の精鋭たちが集うトレーニングキャンプを経て、森下は「数字がとれなかったので、(メンバーへの生き残りへ)手がかかった感じはなかった」と評価するものの、すべてが悪かったわけではない。「ゴール以外は良かったかなとも思うので、取り組んできたことは悪くなかった」と手応えを掴んだのも確かだ。

 森保一監督からは「クロスのところで味方に合わせてゴールを奪う部分が課題ではないか」と指摘され、課題が改めて浮き彫りになった。初招集となったトレーニングキャンプについて「良い合宿になった」と振り返った森下。来シーズンは、さらに進化した姿が見られるかもしれない。

(FOOTBALL ZONE編集部・橋本 啓 / Akira Hashimoto)



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