一流の選手が備えている確かな人間性

「この選手伸びそうだなとなると難しいですけど、日本でもドイツでも、僕たちのような立場の人にも気を遣える選手というのはやっぱり、それだけのキャリアを積んできている人だなというのはありますね。FC岐阜時代だと川口能活さんとか、高木和道さんと一緒にやらせてもらったんですけど、本当にしっかりと心遣いをしてくれました。ドイツ人で今まで関わってきた選手でも、視野が広いというか周りを見れているんだな、人間的にしっかりしているな、と思う選手はほぼみんな相当のキャリアを積んでいたりしていることが多いと感じています。そういうのは、サッカーにも生きるんじゃないかなというのは個人的にも思うところですね」

　プロ選手になるだけではなく、長くその世界で活躍し続ける選手に見られる共通点。人間性の優れた選手がプロ選手になれるというわけではない。でも優れた一流選手は、間違いなく確かな人間性を持ちえている。神原の言葉は、そのことの大切さを改めて教えてくれたのではないだろうか。（文中敬称略）