久保建英のプレーにスペイン人記者“失望” ヒールパスで得点関与も「とても酷かった」

カデナ・コペのルベン・マルティン記者【写真:高橋智行】
カデナ・コペのルベン・マルティン記者【写真:高橋智行】

マルティン記者は久保に厳しい評価 「期待に応えたとは言い難い」

 この件についてエメリ監督は、試合後の記者会見で「この後もタケが試合に出続けられるよう、どちらかのカードの取り消しを訴えるかどうか検討するつもりだ」と退場処分が重いものだと感じていることを明かし、競技委員会に処分撤回を求める可能性を示唆した。

 またエメリ監督は、バレンシアの攻撃の起点の一つである左サイドバックのスペイン代表DFガヤの攻撃参加を封じた久保の働きぶりについて、「チュクウェゼとタケがガヤを上手く抑え込んでくれた。それは我々が今週取り組んでいたことなので嬉しいよ」と高く評価している。

 バレンシア戦で点に絡んだ後、退場になった久保について、試合翌日のスペイン紙「マルカ」と「AS」の評価はともに1点(最高3点)と高いものではなかった。ビジャレアルの地元紙「エル・ペリオディコ・メディテラーネオ」は、「2枚目のイエローカードは不当なものであり、出場した30分間で面白いプレーを見せた」と評し、6点をつけている(最高10点)。

 試合後、スペインラジオ局「カデナ・コペ」のルベン・マルティン記者に、バレンシア戦での久保のパフォーマンスについて尋ねてみると、厳しい反応が返ってきた。

「タケは今日とても悪かった。2枚目のイエローカードは、もらうものではなかったかもしれないけどね。今日は今までで一番長くプレーしたが、ピッチで15分、20分と継続して力を発揮することができていなかった」と評価した。マルティン記者の言葉は辛辣に感じられるが、それは久保への期待の裏返しによるものだろう。

 なぜなら、「タケは非常にレベルの高い選手であり、昨シーズンはマジョルカで世界中のほとんどすべてのチームでプレーできることを証明していたよ。私には昨シーズン、彼が(今季レアル・マドリードに復帰した)マルティン・ウーデゴールを上回っていると感じられる瞬間があったし、レアル・マドリードには両選手を連れ戻す可能性があったかもしれない」と、その実力を認めているためである。

 しかし、「今日はとても酷かったし、みんなから寄せられる期待に応えたとは言い難い」と出場時間が長く、昨シーズンのようなプレーを見せてくれることを楽しみにしていたため、物足りなさを感じていたようだ。

高橋智行

たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。

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