日本からワールドクラスの“天才”は生まれるか 南米の環境に見るスーパースターの条件とは?

「もし遠藤保仁が若くしてバルセロナに入っていたら…」

 技術、体力を備えたうえで、チームまで掌握する力を持たなければスーパースター、あるいは名将とは呼ばれない。

「もし遠藤(保仁)が若くしてバルセロナに入っていたら、メッシ、シャビ、イニエスタの3人に割って入っていたかもしれないと思うことがあります。でもシャビもイニエスタも精神的に物凄く強いし、狡賢さも持っているはずです。サッカーが上手くて、田中角栄、渡邉恒雄、本田宗一郎並みの強烈な個性を備える選手が出てきたら、スーパースターになれるかもしれません」

 もちろんスーパースターは世紀単位でも滅多に生まれてくるものではないが、強烈なパーソナリティーという壁を超えていくのは、技術習得を遥かに上回る難題になることは間違いない。

(FOOTBALL ZONE編集部)(加部 究 / Kiwamu Kabe)



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加部 究

かべ・きわむ/1958年生まれ。大学卒業後、スポーツ新聞社に勤めるが86年メキシコW杯を観戦するために3年で退社。その後フリーランスのスポーツライターに転身し、W杯は7回現地取材した。育成年代にも造詣が深く、多くの指導者と親交が深い。指導者、選手ら約150人にロングインタビューを実施。長男は元Jリーガーの加部未蘭。最近選手主体のボトムアップ方式で部活に取り組む堀越高校サッカー部のノンフィクション『毎日の部活が高校生活一番の宝物』(竹書房)を上梓。『日本サッカー戦記~青銅の時代から新世紀へ』『サッカー通訳戦記』『それでも「美談」になる高校サッカーの非常識』(いずれもカンゼン)、『大和魂のモダンサッカー』『サッカー移民』(ともに双葉社)、『祝祭』(小学館文庫)など著書多数。

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