今季絶好調の鎌田大地、“さらなる高み”への挑戦 ドイツでのプレーに見える変化とは?

フルスティッチ加入でトップ下の競争激化、熾烈な環境がさらなる長成を促す

 ヒュッター監督にとって鎌田はすでに主軸の1人だが、だからといって無条件でいつでもプレーさせてもらえるわけではない。この試合の2日前、フランクフルトはオーストラリア人FWアルディン・フルスティッチの獲得を発表。前所属のフローニンゲンでは右サイドの攻撃的なポジションで主にプレーしていたが、クラブサイドはトップ下での起用を示唆している。

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 フルスティッチ自身も「僕は自分のポジションは中盤センターだと思っている。そこが一番プレーしやすいんだ。激しいポジション争いがあるのは当然だ。でも、それこそが好きだ。もっとハードにトレーニングしようという意欲を掻き立ててくれる」と明かし、鎌田とのポジション争いに真っ向勝負を挑むつもりだ。

 健全なポジション争いは選手を成長させる。鎌田もそのことをよく分かっている。昨シーズン、UEFAヨーロッパリーグ(EL)のリエージュ戦後に、「僕のポジションって、今フランクフルトで一番ポジション争いが大変だと思う。いい選手がいっぱいいる。自分が出た試合で結果を出せないと、だんだん自分のポジションがなくなってくると思っている」と心境を明かしていたが、そうした環境のなかで練習から激しく取り組み続けることが、確かな成長へと結びついているのだ。

 ホッフェンハイム戦後、GKケビン・トラップは「0-1となった後、僕らはインテリジェンスにプレーしたと思う。0-2にするわけにはいかないなかで、ゴールチャンスを作り出すことができた。バス(ドスト)もアンドレ(シルバ)も非常にいいプレーをしたと思う。ダイチは好調だね。そのすべてがチャンスを作り出し、決めたということにつながっている」と、この日の攻撃陣のパフォーマンスを褒めていた。

 自身が思い描く次のステージへ到達するために、鎌田はさらに貪欲に戦い続けるだろう。

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(中野吉之伴 / Kichinosuke Nakano)



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中野吉之伴

なかの・きちのすけ/1977年生まれ。ドイツ・フライブルク在住のサッカー育成指導者。グラスルーツの育成エキスパートになるべく渡独し、ドイツサッカー協会公認A級ライセンス(UEFA-Aレベル)所得。SCフライブルクU-15で研修を積み、地域に密着したドイツのさまざまなサッカークラブで20年以上の育成・指導者キャリアを持つ。育成・指導者関連の記事を多数執筆するほか、ブンデスリーガをはじめ周辺諸国への現地取材を精力的に行っている。著書『ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする』(ナツメ社)、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)。

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