ジダン監督がC・ロナウドの売却を否定 「クリスティアーノに残留してほしい」
さまざまな要素が交錯する伏魔殿
レアル・マドリードのジネディーヌ・ジダン監督は、移籍の可能性が浮上しているポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドの売却を拒否したという。スペイン地元紙「マルカ」が報じている。
指揮官は、本拠地で迎えるローマとのUEFAチャンピオンズリーグ決勝トーナメント第2戦に向けた記者会見に出席した。サンティアゴ・ベルナベウでサポーターからブーイングを浴びる“CR7”について、ジダン監督は「クリスティアーノ・ロナウドの放出を望むファンの考えをどう思うか?」と、質問を受けた。
柔和な笑顔を浮かべた指揮官は「私は そうは思わない。私は監督でクリスティアーノには残留してほしい。私もブーイングを受けてきた。1人の特定の選手の問題ではない。観客はより素晴らしい結果を求めている。それは悪いことではない。なぜなら、ブーイングは成長への原動力となるし、ベストを尽くすために努力を促す。ファンは選手を愛しているんだ。結局のところね」と語った。
C・ロナウドは7-1の勝利を飾った、前節セルタ戦で4得点と大爆発。これで今季27ゴールとし、バルセロナFWルイス・スアレスを抜き、得点ランクトップにジャンプアップした。だが、チームの不振に加え、強敵相手の重要な試合で沈黙を続けてきた。格下相手に固め打ちするエースに対するサポーターの風当たりは極めて強い。アトレチコ・マドリードとのダ ービー戦では二度の決定機を外したにもかかわらず、敗北後は同僚を批判する発言を繰り返し、物議を醸した。
衰えも指摘されるスーパースターは、パリ・サンジェルマンなどの移籍を示唆してきた。フロレンティーノ・ペレス会長が売却を決意したとも報じられているが、C・ロナウド以上のタレントを獲得することは簡単ではない。次々と監督の首をすげ替えるワンマン会長に、サポーターからの圧力。さらにはマーチャンダイジングなどさまざまな要素が交錯する。そうした伏魔殿のような白い巨人で、ジダン監督は渦中のエースを全力で擁護していた。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images