なぜ「8分間の中断」は発生したのか? 審判団への“取り囲み”が招いたコミュニケーション不足

「第12回Jリーグジャッジリプレイ」では主審と選手によるコミュニケーションが議論に【写真:高橋学】
「第12回Jリーグジャッジリプレイ」では主審と選手によるコミュニケーションが議論に【写真:高橋学】

ペナルティーエリア内の競り合い、報復行為からピッチ上に混乱が発生

 スポーツチャンネル「DAZN」で毎週配信される『Jリーグジャッジリプレイ』の第12回が、11日に更新された。今回は、審判と選手のコミュニケーションの難しさがピックアップされるシーンがあった。

 議題となったのはJ2第10節、東京ヴェルディ対FC琉球で起きた出来事だ。後半38分、琉球が右サイドからクロスを入れ、ペナルティーエリア内でそのボールを競りに行った琉球FW上原慎也と東京VのDF高橋祥平が接触し、2人で縺れるように倒れた。その後、上に乗る形となった上原の脇腹あたりを高橋が足裏で蹴ってしまう。

 この試合を担当した先立圭吾主審は両者に駆け寄り、笛を吹いて一度プレーを止めて状況を確認。その際、ボールはGKの近くに転がっていた。その後、主審は確認のため副審、第4審と協議を行うが、東京V側の選手が複数で審判団を囲むように猛抗議。その影響もあってか、約8分間の中断後、ようやくジャッジが下され、高橋にイエローカード、そして琉球にPKが与えられ、試合が再開された。

 番組では、判定が正しかったのかを検証しつつ、同時に「なぜ8分間も中断してしまったのか」を明らかにするために、冒頭の競り合いの場面から振り返った。最初の競り合いは、審判団の判断の通り正当なチャージだと全員が一致。そして高橋の蹴る行為については、FIFA・AFC・JFA審判インストラクターの深野悦子氏が「乱暴な行為」だとしてレッドカードだったと断言した。主審が事象の現場をはっきりと捉えられなかったことが、試合中でイエローカードに収まった原因ではないかと推測されている。

 ここまで追った時点で、すでに副審との協議に時間がかかる状況になっていたことは理解できる。検証材料の少ないなか、可能な限り正確な判断をしなければならないからだ。しかし、判定に時間がかかった最大の要因は、プレーの再開方法に関してだった。

page1 page2 page3

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング