アーセナルの“55名解雇”に疑問の声 選手たちも決定に怒り…クラブとの話し合い実施へ

スタッフの大量解雇決定に選手たちからも反発の声が…【写真:Getty Images】
スタッフの大量解雇決定に選手たちからも反発の声が…【写真:Getty Images】

英紙記者は高給の主力と比較して苦言 SNS上ではファンからの批判も

 イングランド・プレミアリーグのアーセナルは現地時間5日、新型コロナウイルスのパンデミックによる財政面の問題からクラブスタッフ55名に解雇を通告すると公式声明を出した。その方針に対して疑問の声が上がっている。

 アーセナルはコロナ禍でクラブの収入が激減したことを受け、4月には選手や監督、コーチングスタッフの給与12.5%カットを実施。これらはチームスタッフ全員の雇用を守るための措置とされていたが、結局クラブはチームスタッフの大量解雇に踏み切った。

 その中には元キャプテンのMFセスク・ファブレガス(現モナコ)やFWガブリエル・マルティネッリといった選手を発掘したスカウトのフランシス・カジガオ氏といった功労者も含まれており、今回のクラブの決断は波紋を呼んでいる。

 英紙「デイリー・メール」の記者、マーティン・サミュエル氏は自身のコラムで、「アーセナルはメスト・エジルに週給35万ポンド(約4850万円)を支払い、ピエール=エメリク・オーバメヤンも週給25万ポンド(約3470万円)で契約延長が近づいている。彼が合意すればクラブそれを実行するだろう。アーセナルは、1年間にエジルの週給の10分の1しか稼いでいない従業員との関係を断ったうえで契約延長をしようとしている」とクラブの決断に苦言を呈している。

 主力選手への給与アップには出し惜しみをせず、さらにはチェルシーと契約満了を迎えるブラジル代表MFウィリアンの獲得も報じられるなかで、スタッフが大量に解雇される事実に疑問符が付けられている。

 クラブOBの元イングランド代表FWイアン・ライト氏もツイッターで「あなたたちは何者で、何を代表しているのかを思い出してほしい」と古巣の決定を嘆くような投稿をしていた。また、スポーツ専門メディア「The Athletic」では、アーセナルの選手たちはスタッフ解雇に怒りを感じており、クラブと話し合いを行うと伝えられている。SNSでも一部ファンは今回の決定を批判している。

 アーセナルは公式声明で、55名の解雇について「コロナ後の世界に相応しい組織を作り、イングランドとヨーロッパのトップで競争できるだけのリソースを確保する」ための苦渋の決断だと明かしていた。

 今年4月、プレミアリーグ王者リバプールやトッテナムなどのプレミアリーグクラブが政府の補償制度を利用してスタッフの一時解雇を決定したが、選手よりも先にスタッフの給与削減に動くことに反発の声が多く上がり、各クラブが方針を撤回した例もある。アーセナルの解雇も物議を醸しているが、批判の声をどのように受け止めるのだろうか。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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