なでしこGKが明かした初戦完敗の真相 スカウティングと異なる豪州の戦術に対応できず

日本にとって想定外だった”つなぐ”オーストラリア

 4大会連続の五輪出場を目指すなでしこジャパンが、まさかの黒星発進となった。リオデジャネイロ五輪アジア最終予選のオーストラリアとの初戦でゴールマウスを守ったGK山根恵里奈は、1-3と完敗を喫した試合後、相手の戦い方に事前のスカウティングとの”ズレ”があったことを示唆した。

 ショッキングな3失点だった。なでしこと言えば連動性あふれる攻撃と同時に粘り強い守備が持ち味のはずだが、オーストラリア相手に失点を積み重ねた。2点目こそMF阪口夢穂のパスが主審に当たるという不運があったが、1点目と3点目は日本の左サイドを崩され、鋭いクロスを中央で合わされたもの。つまり、後方からの単純なロングボール戦術に屈したわけではなかった。

「(スタメンは)前日や前々日の練習、紅白戦で自分かなという雰囲気は感じていました。(失点については)シュートを振り抜かれて、打たれてやられたわけじゃない。すごく、一番悔しいです。クロスの場面でも、もう少しチャージできてたら(相手も)自由にヘディングできなかったと思うし、自分も違う予測、準備ができていたら止められたんじゃないかと思います」

 失点シーンを振り返った山根は187センチの長身を買われ、空中戦を仕掛けてくると想定したオーストラリア対策として先発で起用された。しかし、彼女の強みであるハイボール処理の場面は数えるほど。相手はむしろボールをつないで攻撃を構築する場面が目立ち、そこからサイドに展開してきた。山根はこう続ける。

 

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