小野伸二は「すぐに認められた」 フェイエノールト“21世紀カルトヒーローベスト11”に選出

フェイエノールトで活躍したMF小野伸二【写真:Getty Images】
フェイエノールトで活躍したMF小野伸二【写真:Getty Images】

在籍5年間でUEFAカップ制覇にも貢献 準々決勝PSV戦では1人目としてPKを成功

 オランダ1部のフェイエノールトは、リーグ優勝10回、国内カップ戦優勝12回、UEFAチャンピオンズカップ(現チャンピオンズリーグ)優勝1回、UEFAカップ(現ヨーロッパリーグ)優勝を誇る強豪だ。これまで日本人選手では元日本代表の2人、MF小野伸二(FC琉球)とFW宮市亮(ザンクト・パウリ)が在籍したが、オランダメディアが2000年以降で“カルト的人気を誇った選手”を対象にベストイレブンを構成。天才・小野も名を連ねている。

 1998年に浦和レッズでプロデビューを飾った小野は、4年目の2001年にオランダのフェイエノールトへ移籍。すぐさまスタメンに定着すると、2001-02シーズンのUEFAカップ制覇に貢献。翌年にはチャンピオンズリーグ予備予選で2ゴールを挙げ、本選出場に導くなど、主力として君臨した。2004-05シーズン以降は故障が増え、疲労骨折も経験。06年1月に浦和へ復帰することになった。

 フェイエノールト在籍5シーズンで112試合19得点。数字もさることながら、プレーでも魅せる選手だった。オランダメディア「Voetbalzone」は「カルトヒーローチーム」と題し、21世紀に所属したカルト的人気を誇った選手たちを対象にベストイレブンを選出。「ファンからの愛はもちろん、ノスタルジー要素を特に重視する」と基準を示すなかで、4-3-3の右インサイドハーフに小野を配置した。

 記事では、移籍1年目で欧州のタイトルを獲得したUEFAカップ、特に死闘となった準々決勝PSV戦のPK戦について触れている。

「UEFAカップ準々決勝PSV戦は白熱したシリーズだったが、一つ確かなことがあった。オノは11メートル(PKスポット)からのシュートは失敗しないだろうということ。彼がフェイエノールトのキッカーの一番手だったのは偶然ではなかった。トーナメント3回戦フライブルク戦(2戦合計スコア3-2)、4回戦レンジャーズ戦(同4-3)でゴールを決めていたからだ。日本人は2001年に浦和レッドダイヤモンズからやってきて、すぐに才能ある、技術に優れたプレーメーカーだと証明した。観衆もすぐに小野を認め、両者は“相思相愛”だった」

 小野はPK戦で1人目のキッカーとして登場し、ゴール左下隅にきっちりと決めた。ペナルティースポットまでリフティングで歩いていったという伝説もあり、一気にファンの心をつかんだ。

 ベストイレブンでは他に、小野とも共闘し、J1湘南ベルマーレにも在籍したブラジル人DFアンドレ・バイア、小野と中盤のコンビを組んだ元オランダ代表MFポール・ボスフェルトら渋い実力者たちが選出されている。

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