サッカー選手とマウスガード 元磐田MF太田吉彰、引退後も貫く「誰かのために」の信念

現役時代にはマウスガードを付けることで自身のプレーの向上を実感した【写真:Getty Images】
現役時代にはマウスガードを付けることで自身のプレーの向上を実感した【写真:Getty Images】

大学アスリート支援プロジェクト「JCAP」に参加し、スポーツに専念できる環境を整備

 太田氏とマウスガードの出会いは、仙台から磐田に復帰した2015年。レギュラーとして開幕を迎えるも、5月末からの6試合で3試合が途中出場、3試合が出番なしと先発から外れ、「何かを変えなきゃ……」と思い悩んでいるところに、ハイエンドマウスガード「Neutral」(ニュートラル)を使ってみないか、という話が舞い込んだ。当時32歳。“運命の出会い”だと思って着用を即決したという。

「当時はまだサッカー界でマウスガードが流通していない時代。僕が初めて着用したJリーガーだったそうです。実は仙台時代、試合こそ休んでいませんが、肉離れのような筋肉系のトラブルが多かったので、すぐにマウスガードを作ってもらいました。マウスガードは筋肉の緊張を解くので、非常に怪我のリスクが減ると言われています。実際、磐田に戻ってから筋肉系のトラブルはほぼなかったし、着け始めてからレギュラーを取り返して、36歳まで若い時と変わらず体もスムーズに動きました。もし20代の時に出会っていたら、もっと上を、海外を目指せたかもしれませんね(笑)」

 太田氏は現在、“パートナー”である「Neutral株式会社」の代表取締役・七海秀之氏が、アシックス・ベンチャーズ株式会社との資本業務提携を行うとともに立ち上げた、全国の大学生アスリートを支援するプロジェクト「JCAP(Japan Collegiate Athlete Protection)」に参加。筑波大サッカー部など30大学50体育会が加盟するなか、選手たちが大学でのアスリート生活に専念できる環境を整えるべく、各大学を回っている。

「大学アスリートは卒業後にプロや社会人リーグに行くのは約2割。約8割が大学でスポーツをやめ、多くが一般企業に就職すると言われています。だから、大学4年間で怪我はしてほしくない。JCAPは大学生活でスポーツに全力で取り組んでもらいたいというプロジェクトです。僕は現役時代の2008年に前十字靭帯断裂を経験して、トップコンディションに戻るまで1年ほどかかりました。もしかしたら、マウスガードで怪我のリスクを軽減できていたかもしれない。企業からの協賛金を原資に無償提供して、トップアスリートが使用しているマウスガードを体感してもらっています」

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