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深刻化する新型コロナ問題 アイルランド挑戦の24歳日本人FWが見た欧州の実情
秋元海人がアイルランドで当初危機感を覚えた「自分たちには縁のない話という感じ」
世界中で感染拡大する新型コロナウイルスの影響により、欧州サッカー界はほぼ全域でリーグ中断を余儀なくされている。MF香川真司(サラゴサ)やDF吉田麻也(サンプドリア)、FW岡崎慎司(ウエスカ)、MF柴崎岳(デポルティボ)ら海外でプレーする日本人選手がSNSで「ステイホーム」(外出自粛)の重要性を訴えているが、欧州はどのような状況に置かれているのか。アイルランドリーグで史上3人目の日本人プロ選手となったFW秋元海人に実情を訊いた。
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中国・武漢市で発生した新型コロナウイルスが広がり、リアルタイムの被害状況を伝える米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によれば、世界で78万8522人(データはすべて3月31日18時24分時点)が感染している。イギリスのグレートブリテン島の隣に位置するアイルランドは、イタリアやスペイン、ドイツ、フランスなど欧州5大リーグと言われる国ほどではないが、感染者数は世界で24番目に多い2910人。現在は日本を上回る数字である。
秋元によれば、アイルランド国内では当初、新型コロナウイルスは“アジアの話”という認識が少なからずあったという。しかし、政府は3月12日、屋内100人超・屋外500人超の集会やイベントの中止、学校や観光施設の閉鎖、在宅勤務の奨励などの措置を発表。アイルランド最大の祝日「セントパトリックデー」(3月17日)のパレードも中止されている。アイルランドに渡って約2年、街の中心であるオコンネル・ストリートもガラガラで、「こんな光景は今まで見たことがありませんでした」と秋元は明かす。
「首都のダブリンはスーパーだけやっていて、自宅待機してくださいというロックダウン(都市閉鎖)の状態。混乱もあり、スーパーの物はすべて品切れで棚には何も残っておらず、中に入るためにも長い列ができて30分はかかっていました。当初は普通にリーグ戦もやっていて、自分たちには縁のない話という感じでした。でもアイルランドはヨーロッパの他の国とも近いので、週末に旅行に行って帰ってきた人たちからコロナが入ってきてしまったようです。感染者が1万5000人に達する見込みだと言われていて、街の機能は完全にストップしています」