プレミア、“シーズン中止”支持が拡大か 上位クラブ幹部が吐露「リバプールは残念だが…」
新型コロナに比べれば「長い目で見ると、正直重大なことではない」との意見が増加
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受けて、プレミアリーグは現時点で4月30日まで中断となっている。シーズン再開を目指しているものの、プレミアリーグクラブの幹部たちからは、今シーズンの中止を支持する声が大きくなってきているという。英紙「デイリー・メール」が伝えた。
現在、2位マンチェスター・シティに勝ち点25差をつけてトップに立つリバプールは、1990年以来のプレミア制覇に向けてあと2勝に迫っている。シーズン中止にはプレミアリーグ全20クラブのうち14クラブ以上の賛成票が必要だが、もし中止となれば、リバプールが30年間待ち望んだリーグ優勝は幻となる可能性が高い。
新型コロナウイルスの感染拡大がいまだに加速し続けている世界の情勢を踏まえ、米スポーツメディア「The Athletic」によると、プレミアリーグでは「今、スポーツのための余裕はない」と考えるクラブ幹部が増加傾向にあるようだ。とある上位クラブの幹部の1人は「何が起きるかは明白。これは世界的なパンデミックだ」としたうえで、次のように語っているという。
「我々は(プレミアリーグのシーズンを)ただ最初から始めるだけ。損をするクラブは非常に少ない。リバプールは残念だが、長い目で見ると、正直重大なことではない。とにかく最初からやり直すのみだ。新型コロナウイルスは今後、もっとひどくなるだろう。選手たちがトレーニングに戻れるかの問題ではない。もし我々みんながこの先2カ月、3カ月を自宅で自主隔離すれば、非常にシンプルにこの状況を乗り越えることができる」
さらに、この状況でリーグ再開にこだわることについては「私たちは今、駄々をこねている馬鹿げた子供のよう。私たちのやっていることは間違いだと心から思う」と吐露。シーズンの中止を支持する意向を示した。
次のプレミアリーグ株主による会議は4月3日に予定されている。そこで再開へ向けた新たな日程の話し合いが行われ、プレミアリーグが容認すれば発表される見込みだが、国家レベルでの外出禁止や選手が練習できていないことを考慮すると、4月30日の再開は非現実的と見られている。
イギリスでのコロナウイルスによる死者数は、26日に前日の113人から578人に跳ね上がり、それ以外に2000人以上の感染者が確認されている。果たして、リバプールの優勝は幻となってしまうのだろうか。
(FOOTBALL ZONE編集部)