ファンハール監督が追求するサッカーに果たして香川の居場所はあるのか 鍵を握る「ユーティリティー性」と「サッカーIQ」

ファンハール監督が求める能力

 
 

 では香川はどうだろうか。現在のマンチェスター・U所属選手と比較しても、指揮官が求める「スピード」、「テクニック」、「キック」を相当高いレベルで兼ね備えているタレントだ。だが、マンチェスター・Uでの香川のパフォーマンスを鑑みて、ピッチ上で自らの真価を存分に発揮しているかと言うと疑問が残る。
 ドルトムント時代の香川であれば、オランダ人にとっても、この上ない宝物となるはずである。両足でのテクニカルなボール裁き、足元に収まってからのスピーディーな仕掛け、ゴールに吸い込まれるような正確無比なシュート精度。ドルトムント時代の輝きを発揮できるのなら、香川が手にしている武器は、ファンハ―ル監督が歩み始めた冒険における“羅針盤”と成り得る可能性がある。ギネス杯インテル戦後のインタビューで、指揮官はこう語った。
「私はボルシア・ドルトムント時代からシンジのことを知っている。彼は10番の位置のプレーヤーだが、私は彼を6番、8番の位置で試したい」
 確かにマンチェンスター・Uには10番タイプのプレーヤーが多く在籍している。オランダ人指揮官のドレスである3-4-1-2においては、その椅子は1つしか存在しない。それによって香川を他のポジションにコンバートせざるを得ない状況にあるのも事実だ。実際に、ギネス杯では、ボランチとトップ下で併用されている。

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