韓国人代理人が語るKリーグ日本人選手の評価 「歴史に名を刻んだ」邦本らの功績とは?

代理人を務めるキム・ドンヒョン氏(左)と元アメリカ代表MFクラウディオ・レイナ氏(元ニューヨーク・シティFCのGM)【写真:Football ZONE web】
代理人を務めるキム・ドンヒョン氏(左)と元アメリカ代表MFクラウディオ・レイナ氏(元ニューヨーク・シティFCのGM)【写真:Football ZONE web】

邦本と西が覆した日本人への“ステレオタイプ” 「まさしく真逆のタイプを見せてくれた」

 それでも、邦本を始めとする選手たちは腐ることなく力強いプレーを披露。過去と比べても、現在のKリーグ内での日本人選手の評価は「確立されてきている」という。

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「邦本選手と西選手の2人がKリーグ1部で実績を残したことによって、日本人に対するステレオタイプ――フィジカルが弱いとか、線が細いというイメージが覆されたと捉えています。ある意味、歴史に名を刻んだといっても過言じゃないと思っています。『日本人は線が細くて走れない』というイメージがあったところで、まさしく真逆のタイプを見せてくれた」

 彼らが既存のイメージを破壊したことで、今後は似たタイプの選手に対する需要がKリーグで高まる可能性もある。特に邦本はKリーグ挑戦前、2017年5月にアビスパ福岡を契約解除になった経緯もあり、慶南FC加入当初は韓国でも「謎のある存在ではあった」(キム・ドンヒョン氏)という。

 ただ、「クオリティーは凄い。慶南FCは2部に落ちてしまいましたけど、まだ1部で見たいという人もいます」とされるように、何よりも重要なピッチ上のプレーで評価を勝ち取った。慶南FCが2部に降格した今、1部クラブへの移籍が有力視されており、韓国メディアではリーグ3連覇中の全北現代移籍の可能性が報じられている。

 また、先日に現役引退を発表したばかりの元日本代表MF増田誓志も、かつてKリーグの蔚山現代で主力として活躍した選手だ。前職時代にインタビューも経験しているキム・ドンヒョン氏は、中盤でファイトするプレーの他にも、その“適応力”に成功の鍵があったと明かす。

「任せられた役割に対しての順応力もあって、蔚山でインタビューをした時には食堂のおばさんたちにも韓国語で話しかけたりしていました。そういうのを見たら、やっぱり『すごいな』と。蔚山は都市部じゃないですし、ソウルからも離れている。そういうところで韓国語を学ぶという姿勢は、すごく尊敬に値すると思います。まずは姿勢、スタンスですね」

 Jリーグでの韓国人の成功例ほど多くはなくとも、歴史を重ねるなかで評価を高めた選手たちの功績により、選択肢は少しずつ広がっている。キム・ドンヒョン氏のような代理人によるサポートは、両国間で適切な人材交流が進む支えになっていくかもしれない。

(片村光博 / Mitsuhiro Katamura)



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