徳島市立が史上初の8強 快挙の陰に現実主義と「トーナメントに勝つためのサッカー」

最高成績を更新した徳島市立高校の選手たち【写真:Football ZONE web】
最高成績を更新した徳島市立高校の選手たち【写真:Football ZONE web】

筑陽学園に1-0の辛勝で準々決勝進出、「守って、カウンター」を徹底

 17度目の出場で史上初のベスト8――。2年連続出場の徳島市立(徳島)が「トーナメントに勝つためのサッカー」を徹底し、快挙を成し遂げた。

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 2回戦で強豪・尚志(福島)にPK戦(0-0/4-3)の末に勝利を収めた徳島市立。ベスト8入りした昨夏の総体では1回戦から3回戦まで全てPK勝利という粘り強さを見せてきた。迎えた筑陽学園(福岡)との一戦では前半22分にセットプレーの流れから決勝点を奪い、1-0で辛勝。選手権では史上初となる準々決勝進出を果たした。

 筑陽学園のロングボール主体の攻撃を跳ね返し続け、またも無失点で勝利を手にした。チームを率いる河野博幸監督は「うちは堅守ではない。人数をかけて守っているだけ」と控えめだが、2試合連続無失点と結果がついてきている。華麗なパスワークや独力での突破はないが、負ければ終わりの一発勝負で勝つために「守って、カウンター」というサッカーを立ち上げ時から徹底してきたという。

「トーナメントに勝つためにどういうサッカーがいいかと言ったら、まずは失点を防ぐこと。それからカウンターで前に行く展開が大事になります。ボールを大事にしようとすると展開が遅くなったり、逆に失ってカウンターを受ける部分も増えてくる。こういう舞台になると怖がって(ロングボールを)蹴ってしまう姿も見ていたので、それなら最初から(狙いとして)やっていたほうがいいんじゃないかと。どんなチーム相手に崩すことができたとしても、それだけで満足していたら上にはいけない」

 どれだけ技術があっても、どれだけチャンスを作っても、勝てなければ先には進めない。それがこの選手権だ。「トーナメントは勝ってこそ次がある。選手権やインターハイという舞台で勝とうと思ったら、限られた人間の中で割り切ったサッカーが必要(河野監督)」。理想を追い求めるのではなく、現実主義を貫いた戦いで1年間の努力を見事に結実させた。

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