久保建英、マジョルカ加入4カ月で変えた“序列”と観衆の視線 現地記者「主役の役割を…」

マジョルカMF久保建英【写真:Getty Images】
マジョルカMF久保建英【写真:Getty Images】

【スペイン発コラム】7試合連続でスタメン出場、決定機演出も…強豪セビージャに0-2敗戦

 日本代表MF久保建英は21日、2019年最終戦となったリーガ・エスパニョーラ第18節セビージャ戦で7試合連続の先発出場を果たした。

 前節セルタ戦、久保がマジョルカ入団以来、最も悪いパフォーマンスだったと酷評されたなか、チームは2-2で引き分け、今季初となるアウェーゲームでの勝ち点を獲得。連敗を3で止め、勝ち点15で降格圏ギリギリの17位をキープした。

 そしてバルセロナとレアル・マドリードの伝統の一戦“エル・クラシコ”が行われた18日には、コパ・デル・レイ(スペイン国王杯)1回戦で4部エル・アラモと対戦。ビセンテ・モレノ監督は主力のほとんどを温存し、久保も90分間ベンチを温めた。試合は辛くも後半アディショナルタイム3分に生まれたオウンゴールにより、1-0でなんとか次ラウンドへの勝ち抜きを決めたものの、普段戦っていないメンバー構成だったためか、格下相手に何度もチャンスを作られるなど、褒められた試合内容ではなかった。

 それから中2日で迎えた今回の対戦相手セビージャは、17試合を終えて9勝4分4敗の勝ち点31で、バルセロナ、レアル・マドリードに次ぐ3位につけている。さらにアウェーの勝ち点数が1部リーグトップの「17」だったため、「マジョルカが今年最後に最悪の相手を迎える」との報道が試合前に出るほどだった。

 セビージャ戦のキックオフは現地時間の13時で、12月にもかかわらず気温は20度ほどあった。この試合ではシーズン開幕からモレノ監督のお気に入りであるMFサルバ・セビージャ、MFイドリス・ババ、FWラゴ・ジュニオール、MFアレイシュ・フェバス、MFダニ・ロドリゲスの中盤5選手が、久しぶりに万全の状態で揃った。そうしたなか、久保がフェバスからスタメンを奪う形で7試合連続の先発出場を果たし、4-4-1-1の右サイドハーフでプレーした。

 久保はキックオフ直後、いきなり素晴らしいプレーで観衆を沸かせる。前半3分、右サイドでボールを受けると、久保同様レアルから期限付き移籍によりセビージャでプレーするDFセルヒオ・レギロンを振り切り、グラウンダーのクロスをゴール前に送った。しかしラゴ・ジュニオールがゴール正面からのシュートを大きく上に外し、先制点を決めることはできなかった。

高橋智行

たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。

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