南野のリバプール移籍は決定的か 香川“恩師”クロップに質問、現地記者が確信する理由

ドルトムント時代のクロップ監督(左)とMF香川真司【写真:Getty Images】
ドルトムント時代のクロップ監督(左)とMF香川真司【写真:Getty Images】

頭の中に浮かんだ「日本人選手の印象」に関する質問

 つれないが、それでも「南野が非常にいい選手だということは言える」という発言は大きい。根も葉もない話なら、大抵の場合、監督は完全否定する。しかしこのクロップ発言は大いに脈ありだと見ていい。

 この言葉を聞けただけで、この日の筆者の目的はほぼ達成した。それにこの後に南野について聞いても、同じような発言が繰り返されるだけだ。

 ただし、クロップに直接話しかけるチャンスなど滅多にない。

 実はこの日、筆者のノートには南野に関する質問がいくつも走り書きされていた。「控えを充実させる補強か、それとも将来を見据えた補強か?」「リバプールでレギュラー争いをする力があると思うか?」「南野の最も優れた資質は?」「ベストポジションは?」「初めて南野の存在に気づいたのはいつだったのか?」「現存する有名選手の誰とイメージが重なるか?」「ずばり、南野の最大のチーム内ライバルは誰か?」等々、聞きたいことが連なっていた。

 これらの質問はもう使えない。けれども、それならどうすればいい?

 会見は進む。同日、クロップ監督が2024年までリバプールと契約を延長したことが発表されていた。その決断に至った背景や、感情の流れについて、記者が次々に質問を浴びせる。そんななか、筆者の頭に閃いたのは、クロップに「日本人選手に対する印象を尋ねる」ということだった。

 それなら、ドルトムント時代に指導した香川真司(現サラゴサ)との思い出を絡めてもらうのが一番だ。そんなことが頭の中で渦巻いて、ついに会見の一番最後に筆者に質問の順番が回ってきた。

 案の定、マットからは「それじゃあ最後はマサ。しかし移籍に関するコメントはできないから、そのつもりで」と振られる。

 するとクロップは、南野に関する質問ができなくなり、手足をもがれたような状態になった筆者に向かって、愉快そうに“ハハッ”と声を立てて笑いながら「君はどうしてここにいるんだい?」とからかうように話しかけてきた。

森 昌利

1962年生まれ、福岡県出身。84年からフリーランスのライターとして活動し93年に渡英。当地で英国人女性と結婚後、定住した。ロンドン市内の出版社勤務を経て、98年から再びフリーランスに。01年、FW西澤明訓のボルトン加入をきっかけに報知新聞の英国通信員となり、プレミアリーグの取材を本格的に開始。英国人の視点を意識しながら、“サッカーの母国”イングランドの現状や魅力を日本に伝えている。

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