「心の炎が消えかかった」 元日本代表DF闘莉王が現役引退を発表…“盟友”楢崎&中澤が会見にサプライズ登場
元日本代表DF闘莉王が引退会見を開き、引退の理由を語る 「自分で決めていたことが…」
J2京都サンガの元日本代表DF田中マルクス闘莉王が1日、今季限りで現役を引退すると発表した。この日、都内で引退会見を開き、19年間のプロ生活を振り返った。会見の最後には“盟友”の元日本代表GK楢崎正剛氏とDF中澤佑二氏がサプライズで登場。花束を贈った。
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ブラジル出身の闘莉王は単身で日本に渡り、2001年にサンフレッチェ広島でプロデビューを果たし、03年にJ2水戸ホーリーホックに移籍。この年、日本国籍を取得し、年代別代表として日の丸を背負うようになった。04年から09年までは浦和レッズの主力として活躍し、2006年にはリーグ優勝に導いた。2010年に移籍した名古屋グランパスでも移籍1年目でリーグ制覇。17年からは京都でチームを牽引していた。
DF+FWの「DFW」という攻撃型のDFとしてゴールネットも何度揺らし、DF登録ではJリーグ史上初の通算100ゴールを達成。そのなかでの引退決断。闘莉王は時折涙ぐみながら、一つ一つ、大事に言葉を紡ぎだした。
「入団した当時、今までにないDF、守ることだけでなく攻めることを意識してやってきた。そのなかで、自分で決めていたことがあって、いつかは自分の心が燃える。少しでも炎が消えかかりそうになったらどんな時であれ、年関係なく引退しようと思っていた。サッカーに対して失礼な事ないようにしようと決めていたので、去年の終わりごろ、少しそれを感じて、やっぱり引退しなきゃいけないなと。最後の1年は、今まで敵として戦ってきた相手チーム、サポーターにも挨拶したいなと思って。サッカーは当然ですが、少しでも感謝の気持ちを伝えたかったので、今年は最後のシーズンにしようと決めていた。今年は、ちょっと消えかかっていた炎を最後のエネルギーに変えて、1年やりました」
最後の試合は、J2最終節の柏レイソル戦。1-13で敗れた歴史的な大敗の一戦で、試合中に負傷し鼻骨を骨折。初めて救急車に運ばれた。血を流しながらも、最後の最後まで“闘将”として戦う姿をファン、サポーター、若手の選手に見せ続けた闘莉王だった。
「最後の最後まで自分らしいなと思いました。この頭だけで何針縫っただろうと数え切れない。最後だけは少しでもきれいな顔で終わりたかったけど、神様は自分らしい姿でやってこいというメッセージをくれたのかなと思います」
現役を引退後は「ブラジルに帰ってビールを飲んで、肉をたくさん食べて10キロぐらい太ってみなさんに笑ってもらえるようになれればいいな」という。会見には名古屋、日本代表でしのぎを削り合った楢崎氏がサプライズ登場。花束をプレゼントされているなかで、なんと途中で元日本代表DF中澤佑二氏も登場。中澤氏は「遅くなってごめんね」と話しながら「いつも怒っているイメージが強くて、代表で一緒になったら強さを理解できるようになった」と思い出を振り返った。最後の最後まで闘莉王らしく、強さの中に優しさが見える会見となった。
(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)