「日本はレベルの高い国」 東京五輪を目指す19歳日系人を直撃「いつかJリーグでも…」

アオキは元柏レイソルMF澤昌克やエスペホ監督からも高い評価を受けている【写真提供:ウニオン・ウアラル】
アオキは元柏レイソルMF澤昌克やエスペホ監督からも高い評価を受けている【写真提供:ウニオン・ウアラル】

夢は東京五輪経由で世界へ 「いつかイングランドに行きたい」

 東京五輪出場チームを決める南米予選は、来年1月にコロンビアで行われる予定だ。南米の出場枠はわずか「2」。ブラジル、アルゼンチンなど強豪がひしめく予選を突破するのは簡単ではないが、ペルーは初出場を目指す。東京五輪開幕を20歳で迎えるアオキも、「代表のユニフォームを着て、世界大会で戦いたい。もちろん東京五輪にもチャンスがあれば出たい思いは強い。まずはチームで試合に出て存在をアピールし、代表に選ばれるように頑張りたい」と、声を弾ませる。

 所属するウニオン・ウアラルのホルヘ・エスペホ監督は、「アオキは非常に才能がある選手。キックも正確だし、ポジショニングもいい。五輪代表だけでなく、将来フル代表に選ばれる可能性も十分ある。それだけのポテンシャルを持っている選手。チームでも期待している」と、アオキの才能を高く評価する。

 かつて柏レイソルに所属し、現在はウニオン・ウアラルでチームメートのMF澤昌克も、「視野が広く、サイドチェンジが得意で、すごくいいボールを蹴る。ペルーには今、どのチームにもいるくらい日系人のサッカー選手は多いのですが、彼はその中でも将来性がある選手。AELUでプレーしていた時も、彼がいた時は最強の世代と言われていて、その中心選手だったんです」と明かす。

 ペルーのサッカーは日本と比べて運動量が少なく、ボールを走らせるサッカーが特徴だが、そのなかでもアオキは豊富な運動量で中盤の底で相手の攻撃の芽を摘み取る。日本名「タダシ」の漢字を聞くと、「う〜ん、知らないんです」と恥ずかしそうに答えたが、「労を惜しまないプレーができるのは、勤勉な日本人の血を受け継いでいるからかもしれませんね」と、控え目に胸を張った。

 将来の夢は海外でプレーすること。

「イングランドが世界で最もレベルが高いと思うので、いつかイングランドに行きたい。もちろん日本でもプレーしたい。日本語は話せないけど、日本国籍も持っているので日本人としてプレーできる。Jリーグはレベルが高いので、自分が成長できる場所だと思う」

 東京五輪、Jリーグ、そしてイングランド――。高い目標を掲げるアオキは、ペルーから日本経由で世界へと羽ばたく自身の姿を夢見ている。

(福岡吉央 / Yoshiteru Fukuoka)



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