「日本はレベルの高い国」 東京五輪を目指す19歳日系人を直撃「いつかJリーグでも…」
【日系ペルー人の挑戦|Part1】2017年にJ1横浜FMの練習に参加したアオキ ペルー2部でボランチとしてプレー
地球の裏側、南米から祖国日本で行われれる2020年東京五輪への出場を目指す日系ペルー人がいる。MFアンソニー・タダシ・アオキ・ナカマ。ペルーでは年代別代表でも活躍し、現在は同国2部ウニオン・ウアラルでボランチとしてプレーする19歳を直撃した。
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日本人の顔立ちながら、足技もあり、プレーはペルー人そのもの。抜群のポジショニングと広い視野で中盤の底からボールを前線に運ぶ。サイドチェンジも得意で、正確なロングボールでカウンターの起点となるアオキ。179センチ、72キロとまだ体は細いが、グラウンドコンディションが悪いペルーのピッチで、その存在を光らせている。
アオキは日系人の両親を持ち、曽祖父が日本人の日系4世。かつて移民として日本からペルーに移り住んだ開拓者の子孫だ。首都リマにある日系ペルー人のサッカークラブ、AELUでプレーしていたが、15歳で名門スポルティング・クリスタルと契約。今年1月にエクアドルのエメレクとの練習試合で、18歳にしてプロデビューを飾った。
その後は怪我で戦列を離れたが、8月に行われたリーグ戦、ウニオン・コメルシオ戦で公式戦初のベンチ入り。そして同国2部ウニオン・ウアラルにレンタル移籍となり、9月のコメルシアンテス・ウニドス戦で公式戦デビューを飾った。
「父も兄弟もいつもサッカーをしていたし、子供の頃からサッカーが好きでした。サッカー選手になる以外の選択肢はなかったですね」
2010年の南アフリカ・ワールドカップ(W杯)で、スペイン代表MFシャビ・エルナンデスの虜になった。
「ポジショニングが良く、常にパスの選択肢を複数持っている。良く動くし、ボールも失わない。ああいう選手になりたいと思った」
中学を卒業すると高校には進学せず、通信教育を選び、サッカーに専念する環境を整えた。まだまだ遊びたい年頃だが、「サッカー選手として成功するためには多くのことを犠牲にしなければならない」と自分に厳しい。
クリスタルの下部組織でもキャプテンマークを巻いてプレーしており、「主将を務めるようになって、ピッチでより声を出すようになった」という。ペルーでは週末の試合も午前中や午後の早い時間に行われることも多く、「週末でも常に早く寝るようにして、試合の日の夜も睡眠を十分にとって体力回復に務める。サッカーは一番好きだし、試合でベストなプレーをできるようにするために、食事、体のケア、睡眠、筋力トレーニングなど必要なことを習慣化する。それが自分の将来につながると信じています」と、プロ意識も高い。