久保建英に送られた“スタンディングオベーション”の価値 スペイン人記者「最高のゲーム」

マジョルカの日本代表MF久保建英【写真:Getty Images】
マジョルカの日本代表MF久保建英【写真:Getty Images】

ビジャレアル戦で全3ゴールに関与、華麗なミドル弾でリーガ初得点も記録

 マジョルカの日本代表MF久保建英は、11月10日にホームで行われたスペイン1部リーガ・エスパニョーラの第13節ビジャレアル戦に2試合連続で先発出場し、チームも3-1と4試合ぶりの勝利を飾った。

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 前節バジャドリード戦(0-3)でビセンテ・モレノ監督はシーズン開幕から初めて4選手を入れ替える大幅なローテーションを実施。久保は第7節アラベス戦(0-2)以来となる5試合ぶりのスタメン復帰を果たした。試合開始直後こそピッチを幅広く動いてボールに絡んでいたが、チームが徐々に押し込まれていくにつれパフォーマンスが低下し、後半23分にピッチを後にしている。チームも今季最大の得点差となる0-3で敗れ、3試合未勝利。3勝2分7敗の勝ち点11で、前節と同じ降格圏一歩手前の17位になっていた。

 一方、今回対戦したビジャレアルは前節終了時点で5勝3分4敗の勝ち点18で8位につけていた。特筆すべきはバルセロナ(29ゴール)に次ぐ25ゴールを記録し、1部リーグ2番目の得点力を誇っていることだろう。また8日に発表された欧州選手権(EURO)予選を戦うスペイン代表の招集メンバーに、最多の4選手(パウ・トーレス、ラウール・アルビオル、サンティ・カソルラ、ジェラール・モレノ)を輩出していることは、このチームが非常に高いポテンシャルを持っていることを物語っていた。

 そんな相手に対し、マジョルカのモレノ監督は、ここまで全試合にスタメン出場していた大黒柱サルバ・セビージャをイエローカードの累積による出場停止で欠いていた。それにより久保を2試合連続でスタメン起用することを決断。前節からGKファブリシオ、MFマルク・ペドラサ、MFサルバ・セビージャに代わり、GKマノロ・レイナ、MFイドリス・ババ、MFアレイシュ・フェバスの3選手が先発復帰している。

 ビジャレアル戦当日のパルマ・デ・マジョルカの気温は10度を切る寒さ。試合直前まで激しい雨が降り、完全に冬の装いになっていた。

 久保はこの日、FWアンテ・ブディミルとMFダニ・ロドリゲスを前線に配置した4-4-2の右サイドハーフでプレー。セットプレーの大部分でキッカーを務めるなど、いつも以上に大きな役割を担い、最終的にチームの全得点に絡む圧巻の出来となった。

高橋智行

たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。

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