タイ代表の西野監督、初陣での采配を現地紙分析 “ゼロトップ”システムには厳しい評価

タイ代表を率いる西野朗監督【写真:Getty Images】
タイ代表を率いる西野朗監督【写真:Getty Images】

準備期間の短さに同情も、ベトナム戦の内容には手厳しく批評

 タイ代表は現地時間5日、カタール・ワールドカップ(W杯)アジア2次予選ベトナム戦にホームで臨み、0-0で引き分けた。昨夏のロシアW杯で日本代表を率いた西野朗監督は、タイ代表の指揮官として“初陣”を戦ったが、現地メディアは西野監督の“ゼロトップ”采配の是非を厳しく追究している。

 タイは2次予選でグループGに入り、UAE、ベトナム、マレーシア、インドネシアと同居。東南アジアのライバルたちが一堂に会するグループで、初戦から同地域の覇権を争うベトナムとの一戦を迎えた。話題性のあるカードとなったなか、互いにゴールは奪えず0-0のドローに終わっている。

 タイ紙「サイアム・スポーツ」は「もし西野監督にもっと時間があったら」と見出しを打ち、ホームでライバルと引き分けた一戦を分析。「まず、最初のポイントは西野監督にとって準備期間が1カ月しかなく、事前のテストマッチも組めなかったこと」と指揮官への同情を示しつつ、その采配に言及した。

 まず挙げられていたのは、“ゼロトップ”システムの採用だ。ベトナム戦のタイは中盤ダイヤモンド型の4-4-2システムで、エースのMFチャナティップ(北海道コンサドーレ札幌)はトップ下。2トップには本来中盤の選手であるMFティティパン(大分トリニータ)とMFスパチョク・サラチャット(ブリーラム・ユナイテッド)が並んだが、ゴールを奪うことはできなかった。記事では、「ケアすべきターゲットが不在のため、ベトナムはペナルティーエリア内で失点の心配をする必要がなかった」と手厳しく批評している。

 さらに「新たなセンターバックコンビ」「チャナティップへの密着マーク対策」「得点のためのリズム」とポイントを挙げていったうえで、「予選2試合目までに西野監督に課された宿題」とした。そのうえで、「準備期間が短いなかでの試合であることを踏まえれば、時間を費やせばもっと良くなるのだろうか?」と投げかける形で締めくくった。

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