鎌田大地がドイツで味わう「不思議な感覚」 “数字”以外のプレーに見える価値とは?

フランクフルトMF鎌田【写真:Getty Images】
フランクフルトMF鎌田【写真:Getty Images】

フランクフルトで開幕からレギュラーの座を確保 「自分の間合いでできている」

「海外は数字がすべて」とよく言われる。確かにゴールやアシスト数は攻撃的な選手にとって、一つの大事なパラメータだ。そこへのこだわりがなければ生き残れないし、数字という結果を残すための工夫や取り込みがなければ話にならない。だが、それだけですべてが語られるわけでもない。

 サッカーにおいて、チームの勝利に貢献するための要素はたくさんある。例えば守備におけるポジショニングや味方のために汗をかき、相手にプレスをかけるタイミングと頻度。あるいは軽率にボールを失わずに相手の激しい守備をかいくぐり、味方をフリーにし、そこからチャンスが生まれる状況を作り出す。それだけではなく、自身もチャンスを見計らいながら、積極的な仕掛けを見せていく。

 ブンデスリーガ第3節フランクフルト対デュッセルドルフの試合で言えば、前半25分に見せたフランクフルトMF鎌田大地のプレーに、観客から拍手が起こっていた。中盤からドリブルで相手を押しのけて力強くボールを運んだ鎌田は、左サイドのMFフィリップ・コスティッチへのパスを狙ったが、相手に引っかかってしまう。だが、そこからスピードを緩めずに、すぐさまその相手選手にプレスをかけて奪い返してみせた。

 あるいは終盤の後半37分、自陣右サイドでボールを受けると背後からプレスをかけようとする相手とすり替わるようにかわし、カウンターの起点を作り出した。どちらもそこでボールを失ったり、慌ててパスミスをしてしまうと、そのまま相手の時間帯が続いてしまう。“自分たちの時間”を生み出すプレーの持つ価値は、とても高いのだ。

 こうしたプレーをどれだけ貪欲に、どれだけ効果的にしているか。そしてそこからどんなポジティブな変化が生まれているのか――。監督やチームメートからの信頼を得るためにはまずそうしたアピールの連続が必要になるわけだ。

中野吉之伴

1977年生まれ。武蔵大学人文学部欧米文化学科卒業後、育成層指導のエキスパートになるためにドイツへ。地域に密着したアマチュアチームで様々なレベルのU-12からU-19チームで監督を歴任。2009年7月にドイツ・サッカー協会公認A級ライセンス獲得(UEFA-Aレベル)。SCフライブルクU-15チームで研修を積み、2016-17シーズンからドイツU-15・4部リーグ所属FCアウゲンで監督を務める。『ドイツ流タテの突破力』(池田書店)監修、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)執筆。最近はオフシーズンを利用して、日本で「グラスルーツ指導者育成」「保護者や子供のサッカーとの向き合い方」「地域での相互ネットワーク構築」をテーマに、実際に現地に足を運んで様々な活動をしている。

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