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ジブラルタルで誕生した初の“日本人プロ選手” 経営権取得も目指す30歳、欧州の小国で描く夢
【知られざる海外組ストーリー】18歳でスペインへ渡った鶴見昌平、ビジャの故郷クラブでもプレー
イベリア半島の南東に国土面積がわずか6.5平方キロメートル、人口わずか3万2000人ほどの小国がある。スペインと国境を分かつ、イギリス領ジブラルタルだ。2016年に初めてUEFA(欧州サッカー連盟)に加入したばかりのこの国のリーグに、初の日本人プレーヤーが誕生した。
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鶴見昌平(旧姓・坂本)。スペインの下部クラブを渡り歩いた男は今年、ジブラルタルでプロデビューを飾った。平成元年生まれの30歳は、なぜジブラルタルへ渡ることになったのか。「UEFAチャンピオンズリーグに出場するためのラストチャレンジ」に挑んでいる“海外組”の1人にインタビューをした。
◇ ◇ ◇
鶴見は山形の羽黒高校サッカー部出身で、高校卒業後に18歳で日本を飛び出した。ユニベルシダ・デ・オビエドというオビエド大学が出資していたクラブのBチーム(スペイン5部相当)からスタートし、CDクディレロ(同4部)や元スペイン代表FWダビド・ビジャ(ヴィッセル神戸)の故郷でもあるアストゥリアス州トゥイージャに本拠地を置くCDトゥイージャ(同4部)、スペイン北部カンタブリアのSDノハ(同3部)といったスペインの下部リーグを渡り歩いた。
今季は日本代表MF久保建英(レアル・マドリード→マジョルカ/1部)を筆頭に、同MF香川真司(サラゴサ/2部)、同MF柴崎岳(デポルティボ・ラ・コルーニャ/2部)、同FW安部裕葵(バルセロナB/3部)など、これまでにないほど多くの日本人選手がスペインに集結している。だが、鶴見がプレーしていた当時、スペインの下部リーグでプレーしていた日本人選手はほとんどいなかった。SDノハ時代には全国紙「マルカ」で特集されたこともあるなど、現地では注目を集めた。
2014年に一度現役から退いた鶴見だったが、「もう一度サッカーがしたい」との思いから、およそ3年の空白期間を経て、2017年に6部相当のアトレチコ・マルベージャでプレーを再開させた。そして、現役復帰から2年が過ぎた今年、思わぬ展開が待っていた。ジブラルタル1部リーグのエウロパ・ポイントFC(Europa Point FC)からのオファーだった。
「僕が加入したエウロパ・ポイントは、新たな投資家がチームに資金を投じてプロジェクトを進めている真っ最中。クラブはUEFAチャンピオンズリーグ(CL)やUEFAヨーロッパリーグ(EL)出場を目指しています。そして、欧州で日本人が注目されていることもあり、日本のマーケットを広げていきたいという考えがあります。そのなかで、僕にオファーが届いたんです」