安部裕葵の獲得でバルサが狙う日本市場の開拓 スペイン紙が“戦略”指摘「一種の賭け」

鹿島からバルセロナへの移籍が決まったMF安部裕葵【写真:荒川祐史】
鹿島からバルセロナへの移籍が決まったMF安部裕葵【写真:荒川祐史】

日本人選手の獲得はギャンブルだがブランド力は魅力 日本市場のさらなる開拓なるか

 鹿島アントラーズからバルセロナへ加入した日本代表MF安部裕葵は、日本でも最も大きな期待を集める逸材の1人だ。バルサ入りは大きな注目を集めており、今後、マーケティングの面でも大きな意味があると、スペイン紙「ムンド・デポルティボ」が報じている。

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 バルサと安部は2年間の延長オプション付きの3年契約を結んだ。20歳という年齢で鹿島のトップチームで主力として活躍しており、アジアでもトップレベルのタレントと評価されているが、同時にバルサにとっては投資でもある。移籍金は110万ユーロ(約1億3000万円)とされ、「この日本人はスポーツ面において一種の賭け」と記されている。

 その一方、戦略的マーケティングの面でも大きな意味を持つ。バルサは新シーズン開幕前からアジアの市場、特に日本の市場を意識したマーケット戦略も準備。最初のオプションは、今夏にFC東京から宿敵レアル・マドリードへの移籍が決まった日本代表MF久保建英だった。

 久保はバルサ下部組織育ち、古巣への帰還を目指していた。ところが、移籍金100万ユーロ(約1億2000万円)など条件面で折り合いがつかなかった。さらに、そのタイミングで2人のタレントが発掘されている。20歳の阿部と17歳のセレッソ大阪内定FW西川潤である。彼らのうち、特に前者は日本でも最も将来が期待されており、メディアも注目を集めているという。

 過去トップチームに1人も日本人選手がいなかったバルサだが、そのメインスポンサーは日本企業の楽天である。日本人選手を加えることで、日本とのつながりがさらに強まり、バルサのブランド力を高めることは計算されていた。トルコ代表MFアルダ・トゥランが加入した際、トルコの市場が開いたのと同じ効果が期待されている。安部の獲得を機に日本の市場もさらに開拓が進みそうだ。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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