ブラジル代表で輝く「自由人サイドバック」 36歳アウベスが到達した規格外スタイル

バルサ時代のペップの指導が関係? 当時よりも自由度はアップ

 1980年代以降はゾーンディフェンスが浸透していったので、サイドバックの攻撃参加はタッチライン際の上下動に限定されていく。攻撃の頻度そのものは上がり、サイドアタックはむしろウイングからサイドバックの役割にシフトしていくのだが、ブライトナーやジュニオールのように反対サイドまで行ってしまう奔放さはなくなっている。

 アウベスは、久々に登場した“自由人”だ。ジョゼップ・グアルディオラ監督下のバイエルンで、ダビド・アラバもサイドバック、ボランチ、インサイドハーフ、ウイングを縦断する万能性を見せていたが、アラバはシステムに組み込まれた存在だ。アウベスも実はそうなのかもしれないが、とてもそうは見えない。おそらく彼のスタイルとして、システムと関係なくやっていると思う。そこには、バルセロナ在籍時のグアルディオラ監督の指導が関係しているのかもしれないが、バルサ時代よりアウベスはどんどん自由度を増していって今日に至っている。

 今回のコパ・アメリカはネイマールの欠場が残念だったが、アウベスという新しいタイプのスターを発見できた。しかし、これで左サイドにやはり“自由人”気質のマルセロがいたら、果たしてどうなっていたのだろう。

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(西部謙司 / Kenji Nishibe)

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西部謙司

1962年生まれ、東京都出身。サッカー専門誌の編集記者を経て、2002年からフリーランスとして活動。1995年から98年までパリに在住し、欧州サッカーを中心に取材した。戦術分析に定評があり、『サッカー日本代表戦術アナライズ』(カンゼン)、『戦術リストランテ』(ソル・メディア)など著書多数。またJリーグでは長年ジェフユナイテッド千葉を追っており、ウェブマガジン『犬の生活SUPER』(https://www.targma.jp/nishibemag/)を配信している。

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