決勝点は「狙い通りだった」 浦和の勝利を呼び込んだ大槻監督の“スカウティング力”

浦和レッズの大槻監督【写真:高橋学】
浦和レッズの大槻監督【写真:高橋学】

4連勝中だった仙台に1-0で勝利 興梠のゴールを導いた周到な準備

 浦和レッズは6日のJ1リーグ第18節ベガルタ仙台戦で1-0の勝利を収めた。相手が退場者を出すなど優位にゲームを進めたが、そこには大槻毅監督による戦前の正確な分析があったことが選手たちの口から語られた。

 仙台はリーグ4連勝で浦和のホームである埼玉スタジアムに乗り込んできた。開幕当初は3バックで戦っていた仙台だったが、4バックにシステムチェンジをしてから好結果が続いていた。それに対し、大槻監督が選手に授けた攻略法が決勝ゴールを導いていた。

 浦和は仙台の2トップに対し、マイボール時に3バックが開いてボールを回した。右サイドで高い位置を取るMF橋岡大樹に対しては仙台の左サイドハーフを務めるMF関口訓充がついて下がり、5バックになることを許容する戦術だった。そのことで、3バックの右でプレーする浦和DF岩波拓也がフリーになって攻撃の起点になる場面が多発した。

 橋岡は「関口選手を下がらせれば岩波選手が空くと監督も言っていたし、そこからの縦パスはチームの武器なので、自分は高い位置を取ることを意識していた」と話した。一方で仙台のFW石原直樹は「ついていくとボランチが空いてしまうし、3人を1人で見ているような状況で守備がハマらなかった」と、後手を踏んだ感があることを話す。

 そして、決勝ゴールは岩波が縦パスを入れ、FW武藤雄樹が技巧的なターンでマーカーをかわしたところから生まれる。抜け出した武藤に対し、仙台DFシマオ・マテが前に飛び出してタックル。一瞬早く武藤が裏のスペースへとスルーパスを送り、FW興梠慎三が抜け出してゴールが決まった。武藤は「マテが食いついた裏はスカウティングからの狙い通りだった」と話し、興梠もまた「監督が良い分析をしてくれて、マテは前に強い反面、裏が空くという話だった」と、準備段階から周到な狙いがあったことを明かしている。

 冷静な分析で勝利に導く手を打った一方で、試合中に熱く選手たちと一体になって戦う姿勢を見せる指揮官の下で、浦和は少しずつ復活への道のりを進めている。消化試合数が1試合少ないなかで暫定10位の浦和だが、後半戦で出遅れを取り戻しJ1の上位戦線を盛り上げる存在になっていけるのか。メンバーを見ればポテンシャルは十分にあるチームだけに、今後の戦いぶりが注目される。

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