「VARはサッカーを滅ぼす」 ウルグアイ戦のPK判定に英記者が異議「偉大な勝利奪った」
日本代表が三好の2ゴールでウルグアイに価値あるドローも…VAR判定に疑念残す
日本代表は現地時間20日、コパ・アメリカ(南米選手権)グループリーグ第2戦でウルグアイ代表と対戦し、2-2で引き分けた。前半25分にMF三好康児(横浜F・マリノス)がドリブルから先制点を奪うも、直後にVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)判定によってDF植田直通(セルクル・ブルージュ)のファウルでPKを取られ、同32分にFWルイス・スアレス(バルセロナ)に同点ゴールを決められてしまう。その後、後半14分に三好が2点目を決めるが、同21分にDFホセ・ヒメネス(アトレチコ・マドリード)に同点ゴールを許し、白熱した試合は2-2のドローで決着した。
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この試合について、かつてアジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ(W杯)を6大会連続で取材した英国人記者のマイケル・チャーチ氏は、ウルグアイにPKを与えたVARの判定に対し「サッカーを破滅させる恐れがある」と警鐘を鳴らし、ジャッジは誤った判断だったと強調。「日本から偉大な勝利を奪った元凶」と怒りを示している。
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VAR。この3文字は、サッカーを滅ぼす恐れがある。おそらく判定の正確性は増すことにはなるものの、最終決定を下す主審の裁量に委ねられるシステムは、今後試合を破壊していくリスクをはらんでいる。この日の主審は明らかにテクノロジーを駆使して決定を下す判断力に欠けていたため、日本は悲惨なジャッジによる新たな犠牲者となってしまった。植田のエディンソン・カバーニ(パリ・サンジェルマン/PSG)へのチャレンジは、決してファウルではない。ウルグアイは全くもってPKには値せず、言うまでもなくPSGのストライカーを倒したとして植田に与えられたイエローカードも然りだ。
アンドレス・ロハス主審がリアルタイムで該当シーンを見逃し、あらゆる角度からの確認も行えなかった場合、ピッチ横に設置されている画面で衝突の瞬間を見たところで、実際に何が起きたのかをすべて把握するのはほとんど不可能なことだ。彼は限られたアングルの映像を見ただけで、耳に届く小さな声に沿って決心を固めてしまった。実際のところ、カバーニはゴールを狙った際に、植田のスパイクの底を蹴っていた。彼は悲鳴を上げ足首を押さえながらピッチに倒れこんだが、典型的な南米選手による芝居であり、ロハス主審が耳元に手を置く動きを促すきっかけを作り出したのだ。
マイケル・チャーチ
アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。