「VARはサッカーを滅ぼす」 ウルグアイ戦のPK判定に英記者が異議「偉大な勝利奪った」

VARの判定に対し「サッカーを破滅させる恐れがある」と警鐘を鳴らす【写真:Getty Images】
VARの判定に対し「サッカーを破滅させる恐れがある」と警鐘を鳴らす【写真:Getty Images】

ウルグアイは日本の攻撃陣が繰り出すダイナミズムに、解決策を見出せなかった

 正しく使用されれば、VARはサッカーにとって有益な存在となる。しかし、今回は日本から偉大な勝利を奪った元凶以外の何物でもなく、日本は決勝トーナメント進出に向け、エクアドルとの最終戦での勝利が必須となった。おそらく、観る者を最もイライラさせたVARの出来事は、大幅に改善された日本のパフォーマンスの印象を薄くしてしまった。

 チリ戦で0-4の敗戦を喫したが、そこから6人の先発変更、戦術面の修正、迫力を増したゴールへの意識は、このチームが才能に溢れていることを解説しているかのようだった。森保一監督が現在取り組んでいる、若手とベテランのバランスを見出した時、日本は活気と興奮をもたらす存在になることができるだろう。ウルグアイの高齢化した守備陣は、日本の攻撃陣が繰り出すダイナミズムに、ほとんど解決策を見出していなかった。

 岡崎慎司(レスター)は機動力と活気をもたらした一方、三好は右サイドで並外れた存在感を放っていた。2ゴールともに見事なものであり、特に先制点は印象的だった。スキルを見せつけ、冷静沈着なフィニッシュだった。もしも、より決定力が備わっていれば、彼は3点目も取ることができていたかもしれない。

 カバーニとスアレスに立ち向かうことは、日本の守備陣にとって試練だった。バルセロナのストライカー(スアレス)はコンディション不良に映ったが、それでも世界最高峰のFWに対し、最終ラインは十分な仕事をやってのけた。ウルグアイは、疑問の余地が残るVAR判定を含め、セットプレーで2点を奪ってのドローというのは、おそらく妥当な結果と言えるだろう。

マイケル・チャーチ

アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。

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