「やりたいことができず…」 なでしこMF長谷川唯が悔恨「気持ちよりも戦術理解」

なでしこジャパンMF長谷川【写真:Getty Images】
なでしこジャパンMF長谷川【写真:Getty Images】

“引き分け狙い”のアルゼンチンを崩すためのイメージが共有されず

 なでしこジャパン(日本女子代表)は現地時間10日、フランス女子ワールドカップ(W杯)のグループリーグ初戦でアルゼンチンと0-0で引き分けた。必勝を期して臨んだが、ブロックを敷いてゴール前を固める相手を崩し切れなかった。

 先発フル出場したMF長谷川唯は試合後、次のように語っている。

「相手の思い通りというか、自分たちがやりたいことができずに、相手のやりたいことだけができてしまった。そういう試合だと思います。思っていたよりも、もっと引いてきた。もう少しプレッシャーに来るかなと思っていた」

 日本は、リスクを負わずに相手の疲弊を誘うため、アルゼンチンのブロックの外でボールをつないでいたが、そんな虫のいい話に乗ってくるほどアルゼンチンも“お人好し”ではなかった。ボールを奪えば一気にゴールまで迫れるようなシーンでしか、プレッシャーは掛けてこない。長谷川がサイドを突破してリズムを変えるような仕掛けは散発的で、連動する人数は少なかった。結局、日本はボールを持たされている状態で、前半の45分間を浪費することになってしまった。

「ちょっと高い位置に入ってしまうと、もうブロックができてしまう。自分たちの陣地に近いところでサイドハーフが持った時に、アーリークロスをもっと狙っていけたら、FWのうち1人が受けたりするスペースができたと思います。でも、自分がハーフウェーラインあたりでアーリークロスのタイミングだと感じても、FWの裏への飛び出しがなくて、足元で受けようとするプレーも多かった。(攻撃が単調だったので)相手もブロックを作りやすかったんだと思います」

 アルゼンチンの“引き分け狙い”は時間経過とともに明白になっていった。しかし、なでしこジャパンには「どこからブロックを崩しにかかるのか」というイメージが共有されていなかった。

「縦のボールを入れるタイミングとかが、ちょっと共有できていない。後ろが少し重たくなってしまって、もう少しボランチが前に関わってもいいのかなという場面もたくさんあった。(緊張や焦りなどの)気持ちよりも戦術理解、どうやっていくかというところが(共有)できていなかったんじゃないかなと思います」

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