なでしこJで輝く“新型FW”小林里歌子 大怪我を克服し近づいたW杯&東京五輪出場の夢

4月に行われたフランスとの国際親善試合で、一時同点となるゴールを決めた小林(中央)【写真:Getty Images】
4月に行われたフランスとの国際親善試合で、一時同点となるゴールを決めた小林(中央)【写真:Getty Images】

2年半に及ぶ怪我との戦いを経て、“手の届かない世界”だったなでしこジャパンの一員に

 なでしこリーグ1部日テレ・ベレーザのFW小林里歌子にとって、なでしこジャパン(日本女子代表)は「テレビの中の存在」だった。そして彼女は今、憧れの日の丸のユニフォームを身に纏い、世界と戦っている。2年半に及ぶ怪我との壮絶な戦いを経て、ワールドカップ(W杯)やオリンピックのメンバーに入ることは「明確な目標」になった。

 小林は2013年9月のU-16女子アジア選手権で得点王に輝きチームを優勝に導くと、翌年のU-17女子W杯では高倉麻子監督(現なでしこジャパン監督)率いるチームの主力として、日本の初優勝に大きく貢献。15年のU-19女子アジア選手権でも4ゴールを挙げて優勝を果たした。しかし、同年9月30日に前十字靱帯断裂。全治6カ月で2016年は大半をリハビリに費やし、以降も右膝半月板損傷など度重なる大怪我に泣かされてきた。

 しかし、長いリハビリを経て、2018年4月1日に行われたリーグカップ1部第1節のジェフユナイテッド市原・千葉レディース戦で2年半ぶりに公式戦復帰。リーグ戦、カップ戦を含めて計29試合5得点をマークすると、今年3月のアメリカ遠征でなでしこジャパンに初選出され、初戦のアメリカ戦(2-2)でA代表デビュー、第2戦のブラジル戦(3-1)で初ゴールを奪ってみせた。

 小さい頃の小林にとって、なでしこジャパンは「テレビの中の存在」。当時は「手の届かない世界」だと思っていたという。その彼女は今、なでしこジャパンに上り詰めて世界と戦っているが、壮絶な怪我との戦いを知る人にはとりわけエモーショナルな光景だろう。2011年のW杯優勝メンバーでもあるベレーザのDF岩清水梓は、「正直まだ信じられない」と思いを明かす。

「少し前まで、ベレーザに入ってきたけど、全然一緒にサッカーをできなかった。一回練習したことしか覚えてなくて、冗談で『里歌子のプレーが分からない』と話をしたくらい長いリハビリでした。コンスタントに試合に出て、代表に選ばれてゴールしたりする姿を見られるのは本当に嬉しいし、つい親目線になってしまいますね」

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