元英代表MFが物申す スールシャールのマンU正式監督就任は「感情的な決断だった」
ジェナス氏は新スタイル構築の必要性を力説 「今こそ拭い去るべきは以前のやり方」
マンチェスター・ユナイテッドはオレ・グンナー・スールシャールが監督に就任してから復調傾向を見せていたが、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)準々決勝でバルセロナに敗れ、今季のタイトル獲得の可能性はほぼ潰えた。それを受けて、識者からは正式監督就任は“時期尚早だった”との声が出始めている。
昨年12月にジョゼ・モウリーニョ前監督の解任によって、スールシャール暫定監督体制がスタートした。就任直後から本来のユナイテッドらしい積極的なアタッキングフットボールを標榜すると、最初の11試合で10勝をマーク。そしてCL決勝トーナメント1回戦ではパリ・サンジェルマン(PSG)相手にホームで0-2と敗戦しながら、続くアウェー戦で3-1の大逆転勝利を飾るなど、劇的な突破劇を見せた。
ファンの信任を得て3月には正式に監督へと昇格した。ただし、そのタイミングからチームの調子は降下。バルサ戦での連敗を含めて、直近7試合のうち5試合で敗戦を喫している。この状況について「状況はすべてオレに対しての“情”が発生していたと感じる」と英公共放送「BBC」で語るのは、元イングランド代表MFだったジャーメイン・ジェナス氏だ。
「(スールシャール正式監督は)感情的な決断だったと思うんだ。どんなビジネスにおいても、決断は長期的な物事を考えたうえで論理的にしていくものであるべきだ。今こそ拭い去るべきは“マンチェスター・ユナイテッドらしいやり方”で、以前からのやり方なんだ」
ユナイテッドの黄金時代と言えば、アレックス・ファーガソン監督時代だ。その功績は唯一無二のもので、その教え子であるスールシャール監督らに同じものを求めるのはナンセンスだとした。
「マンチェスター・シティに来たペップ・グアルディオラは、自分のやりたいことをやった。ユルゲン・クロップもリバプールで自分自身のスタイルを貫いている。それはユナイテッドに必要なものだ。モウリーニョはそれをやろうとしたが、クラブはそれに協力しなかった」
ジェナス氏はこのようにも話していた。
赤い悪魔が完全復活するためには、新たなスタイル構築が必要なのか――。来季CL出場権確保が絶対命題となるスールシャール監督の手腕が問われる。
(FOOTBALL ZONE編集部)